世界の温室効果ガス濃度が過去最高・化石燃料はCO2のタイムカプセル

(写真:ロイター/アフロ)

気象庁は11月9日、2014年世界の主要温室効果ガス濃度が過去最高値になったと発表しました。

人間が排出する温室効果ガスには、二酸化炭素やメタン、フロンガスなどがありますが、その中でも、もっとも地球温暖化に影響を与えるのは、量の多い二酸化炭素です。(二酸化炭素増加によって水蒸気も増え、さらに温暖化が加速する)

温室効果ガス濃度過去最高値(気象庁)

http://www.jma.go.jp/jma/press/1511/09b/GHG_Bulletin_11_press.pdf

二酸化炭素(CO2)はなぜ増える

アバウトな言い方ですが、数千万年~数億年前、地球は現在よりずっと暖かな時代だったと考えられています。二酸化炭素の濃度も10倍以上あり、その温室効果で気温も10度以上高かったようです。

二酸化炭素が多くて気温も高ければ植物が繁栄し、その植物を餌とする動物もどんどん大きくなって、その最たるものが恐竜になっていったわけです。

ところで植物は、成長する時に二酸化炭素を取り込んで大きくなっていきますが、枯れて地中の中に埋もれると、二酸化炭素を植物内に蓄えたまま炭化していきます。

これが何百万年も何千万年もかかって化石になったのが石炭です。同様に、微生物も含めた生物の死骸が化石になったのが石油ということになります。(石油については地球内部生成説もある)いわば、石油や石炭というのは、過去の二酸化炭素を閉じ込めたタイムカプセルといえます。

その化石燃料を大量に消費するということは、太古の温暖な気候をもたらした二酸化炭素を現代の地球に排出することに他なりません。二酸化炭素そのものは無臭無害ですが、化石燃料を使えば使うほど、その温室効果によって気温が上がるということになります。

東京の気温が100年後は鹿児島並に

「温暖化というけれど、 暖かくなることはいいことではないか」という意見もあります。

もちろん気温が上がれば豪雪地帯の雪は少なくなるし、不毛地帯が穀倉地帯に変わる可能性もあり、デメリットばかりではないかもしれません。

しかし現在進行中の温暖化は、地球がかつて経験したことがないほどの速度で、気候が変わっているのです。東京に関して言えば、都市気候の影響もありますが、この100年で3度ほど上昇しています。

そして、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)などの予測をもとにすると、今後も地球全体で2~3度くらいは上昇しそうです。3度の上昇というと、ピンとこないかもしれませんが、具体的に言えば、東京の気温が現在の鹿児島並になるということです。となると何が変わるのか。

実は急激な温度上昇で一番影響を受けるのは植物です。動物は移動することによって、生育環境の変化にある程度は付いていくことができますが、植物はそうはいきません。植物は生育環境に順応するのに年単位の時間がかかるので、温度の変化が大きいと枯れてしまうのです。

温暖化が生物種に影響

この地球上には、生物種が500万~3000万種類ほどあると言われていますが、その多くは熱帯雨林や木の根っこに住んでいる昆虫や微生物です。この微生物が地球環境にどのように関わっているのかよくわかっていませんが極めて重要な役割を持っていることは直観的にわかると思います。

例えば大木が枯れると、その木に依存している微生物が滅び、次にその微生物を餌にしている昆虫が死滅し、さらに昆虫を餌にする爬虫類が滅び、そして哺乳類……という具合に連鎖的に生態系が崩れていくのです。

温暖化による環境変化は、突然やってきます。よく例えられることですが、飛行機の翼を止めているボルトが100本あるとします。1本や2本、ボルトが外れても翼は繋がっているでしょう。

ところがそれが、10本20本となったら、ある瞬間に翼は飛んでしまいます。

11月30日からフランスのパリで、COP21(気候変動枠組条約21回締約国会議)が行われますが、今回の会議は単に各国の利害調整の場ではなく、各国の真剣な討議が期待されます。