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台風18号・首都圏の暴風域確率は30%以上

森田正光気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長
気象庁

台風18号は日本の南海上を北西に進んでいますが、今後向きを少しずつ北から北東に変え、日本列島に上陸する可能性が高まっています。

また首都圏でも、月曜日の朝を中心に暴風域に入る確率が、30%を超えました。

前回ブログにも書きましたが、今回の台風は、秋台風としてはそれほど発達しないようです。気象庁予想によると、最強時でも中心気圧は970ヘクトパスカルくらいの見込みです。

よく、台風は海水温が高いと発達すると言われますが、実は今年の日本近海の海水温は、表面は確かに平年より高くなっていますが、50メートル以下の海水温は例年より低く、23~24度しかありません。

したがって台風がやってくると、台風は海を掻き混ぜますから、海面下の冷水が湧昇してきて、台風の発達が抑えられるのです。

ただ誤解なきように付け加えますと、台風が発達しないからといって危険でないということではありません。むしろ今回は、前面にある秋雨前線とあいまって、記録的な大雨になる可能性が高まっているのです。

今日午後の気象庁会見でも、今回の18号によって「大雨特別警報」の可能性が示唆されました。

また台風があまり発達しないことによって、台風エリアが水膨れのように広がり、中心付近よりも、その周辺部で強風が吹くというような、ドーナツ型の構造になるのではないかとも考えられます。

逆に言うと、強い台風は中心付近で猛烈な風が吹きますが、中心を離れると、比較的穏やかになったりします。しかし今回のような台風は、むしろ強風域が広くなり(大型)、大雨のエリアも広がるのです。

また今回、日本付近に接近してもすぐに勢力は衰えませんから、台風の進路に当たる地方では、風速25メートル以上の暴風域に入る恐れも強まっています。

繰り返しますが、21時発表の暴風域確率では、月曜日の午前中を中心に、首都圏でも暴風雨になる確率が30%以上になりました。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長

1950年名古屋市生まれ。日本気象協会に入り、東海本部、東京本部勤務を経て41歳で独立、フリーのお天気キャスターとなる。1992年、民間気象会社ウェザーマップを設立。テレビやラジオでの気象解説のほか講演活動、執筆などを行っている。天気と社会現象の関わりについて、見聞きしたこと、思うことを述べていきたい。2017年8月『天気のしくみ ―雲のでき方からオーロラの正体まで― 』(共立出版)という本を出版しました。

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