タイで45.4度 国内最高気温を7年ぶりに更新
タイ北西部の町タークで15日、国内の過去最高気温となる45.4度が観測されたもようです。これまでの国内記録は2016年に出た44.6度ですから、タイで史上初めて気温が45度台に達したことになります。
タイのもっとも暑い時期は、雨期に入る前の4月です。今が一年で最も暑いとはいえ、タークの4月の最高気温の平均は39度ほどですから、15日はそれを6度も上回っていたことになります。
この記録が出た際、タークには西風が吹いていました。西側には山がそびえていることから、フェーン現象が起きていたと考えられます。
ちなみに今は、タイの正月にあたります。バンコクでは13日から15日にかけて、恒例の水かけ祭り「ソンクラン」が行われていました。記録的な暑さが襲っている中、今年の水かけはいつにも増して人々に涼をもたらしたことでしょう。
中国でも記録的熱波
タイのみならず、中国南西部でも容赦ない暑さが襲っています。
雲南省では12日、続く暑さと乾燥から山火事が発生しました。4,000人が消火活動にあたったとされるその火災の様子が、下の動画に収められています。炎が風にあおられて、恐ろしい光景が広がっています。
2023年は記録的に暑い年になる
地球は、昨月、観測史上2番目に熱い3月を経験しました。これで529か月連続して、20世紀の平均気温を上回ったことになります。
しかし暑さはこれからさらに深刻化しそうです。
というのも、今年夏にはエルニーニョ現象が発生する恐れがあるためです。エルニーニョ現象とは、太平洋東部の海水温がいつもよりも上がる現象で、これが起きると大気にも影響して、世界の気温が上がる傾向にあります。このため今年2023年は、過去5本の指に入る暑い年になるだろうと専門家は予想しています。
地球の温度上昇が産業革命前と比べ1.5度を超えてしまうと、生態系への影響が過酷になるといわれています。ところが欧州の気象機関は、早くも2034年にはその壁を越してしまうだろうと予想しています。
暑くなることが前提の上で、十分な対策が練られていく必要があります。