北太平洋の観測史上もっとも気圧の低い『冬の低気圧』発生、大陸では「世界最高気圧」

NOAA/Ocean Prediction Center出典の天気図に筆者加筆

先月30日(水)に西日本や東日本に雨をもたらした低気圧が、ベーリング海上で驚異的な発達を見せています。

アメリカ海洋大気庁の解析によると、この低気圧は24時間で中心気圧が60hPa近くも下がって、日本時間1日(金)朝には921hPaとなったとのことです。

一般に気圧が低いほど、風が強く吹きます。低気圧に近いアリューシャン列島のシェミア島では、925.2hPaまで気圧下がり、37m/sの強風も観測されたようです。

この低気圧のように、北部太平洋のアリューシャン列島付近に発生する温帯低気圧を「アリューシャン低気圧」と呼びます。

今回のアリューシャン低気圧は、1958年の観測開始以来もっとも気圧が低くなりました。これまでの記録は、2014年と2015年の924hPa(※)です。そのうち2014年のものは元台風20号でした。

2014年台風20号から変わった温帯低気圧 (出典元: NASA/MODIS)
2014年台風20号から変わった温帯低気圧 (出典元: NASA/MODIS)

モンゴルで世界の最高気圧観測か

一方、日本の東では、信じられないような気圧が記録されました。

29日(火)モンゴルのTsetsen-Uulという場所で1094.3hPa(海面更正気圧)という、驚異的に高い気圧が記録されたのです。

広い世界を見渡しても、これまで気圧が1090hPa台に到達したところはありません。もしこの1094.3hPaという気圧が検証されて公式なものとなれば、世界の観測史上もっとも高い気圧となります。

同日には、モンゴルの別の場所で1093.5hPaという気圧も観測されていますから、この値が大きく異なっているという可能性は低そうです。

挟まれた日本は記録的な大雪

一般に風は高気圧から低気圧に流れ、気圧差が大きいほど強く吹きます。この自然の法則によって、日本は大変な影響を受けています。

というのは、日本を挟んで西に記録的な高気圧、東に記録的な低気圧があるため、日本が大陸からの強烈な風の通り道になっているのです。

大陸からの乾いた冷たい空気は、日本海上を流れる中で大量の水蒸気を補給し雪雲を発生させ、大量の雪をもたらします。このように日本海は大量の雪を作ることから、英語で「スノー・マシーン」などと言われたりもします。

年末年始の大雪が記録的と言われる背景には、こうした日本を挟んだ東西での記録的な現象が関係しているようです。

これまでの降雪量

国内ではすでに記録的な大雪が降っています。

秋田県横手市では24時間の降雪量としては観測史上1位の記録となる63センチの雪が降りました。気象庁は、3日(日)かけても大雪の恐れが続くと警戒を呼び掛けています。

雪下ろしに交通障害など大変な状況が続きますが、どうかお気をつけて新年の幕開けをお過ごしください。

※気象庁は2014年のアリューシャン低気圧の中心気圧を920hPaと解析しています。