史上8番目に遅い台風1号「ヴォンフォン」発生 台風名と被害の関係

台風1号の赤外画像 (出典: NOAA)

去年は、年明け早々台風1号が発生し、「観測史上もっとも早い元旦台風だ」などと叫ばれました。

しかし今年は打って変わって、ようやく今頃になって台風1号が発生しています。発生日は5月12日で、これは1951年の統計開始以来8番目に遅い記録となりました。

遅く発生した台風1号のランキング (デジタル台風のデータを元に筆者作成)
遅く発生した台風1号のランキング (デジタル台風のデータを元に筆者作成)

フィリピン上陸へ

日本時間13日9時時点の台風1号の中心はフィリピンの東の海上にあります。中心気圧は994hPa、最大風速は23m/sです。

気象庁の予測によれば、今後1号は急速に発達し、「強い」台風となって、15日にもルソン島南部に上陸し、大都市マニラに接近する見込みです。

フィリピン北部と中部では最大250ミリの降水が予想されています。また最大瞬間風速は55m/sにも達する見込みで、走行中のトラックが横転したり、住宅が倒壊したりするほどの強さとなります。

日本時間13日9時発表の台風1号の予想進路図 (出典: 気象庁)
日本時間13日9時発表の台風1号の予想進路図 (出典: 気象庁)

沖縄接近か

17日(日)から18日(月)にかけては、台湾や沖縄地方に接近するおそれがあります。

沖縄と言えば、11日(月)に梅雨入りし、早速12日(火)には石垣島で、1時間に126ミリの猛烈な雨が降ったばかりです。これはその地点の観測史上最大雨量であったばかりか、5月の1時間降水量としては国内最大記録となりました。

度重なる大雨に被害が心配されます。

台風の名前

さて、この台風1号には、いろいろな名前が付けられています。

日本人は「1号」と、無機的にも数字で呼びますし、フィリピンの人々は「アンボ(Ambo)」と呼んでいます。

さらに広く世界では「ヴォンフォン(Vongfong)」という名前で知られています。これは正式な国際名で、マカオの言葉でスズメバチを意味します。

良く知られている通り、台風には台風委員会(14か国が加盟)が設定した国際名が付けられています。今年使われるであろう台風名は、以下の通りです。

2020年に使用されるであろう台風名のリスト (気象庁のHPを元に筆者作成)
2020年に使用されるであろう台風名のリスト (気象庁のHPを元に筆者作成)

見てみると、「ドルフィン」や「クジラ」などという、とんでもなくかわいい名前があります。また「コグマ」もあります。これは2015年に被害を出した「コップ」に変わって、リスト入りした名前です。

優しい名前に注意あれ

台風の名前と言えば、こんな研究があります。

大西洋や太平洋東部などで発生する台風、つまりハリケーンには、「マイケル」や「マリア」のような男女の名前が交互につけられています。

しかし、米国科学アカデミーという極めて権威の高い機関によると、統計的に女性名のハリケーンの方が多くの死者を出しやすいようです。

なぜでしょう。それは、女性名だと優しい印象を与え、人々が油断をして準備がおろそかになるからだと言います。言われてみればそうかもしれません。

そのうえで、ハリケーンの名前をたとえば「チャーリー」から「エロイーズ」という素敵な女性名に変えるだけで、死者数は3倍に増える可能性があるとも言っています。

そういう意味では、今回の「ヴォンフォン」は強そう、しかし「コグマ」や「ドルフィン」では心もとなく聞こえます。「オオグマ」や「シャーク」などの方が安全かもしれませんね。とにかく台風名に惑わされず、準備は万全にしたいものです。