史上初、アメリカの春が3週間前倒しで到来 暖冬の影響

桜とワシントン記念塔 (2018年の様子)(写真:ロイター/アフロ)

「酒なしで見れば桜も河童の屁」「つまるところ酒屋ための桜咲く」 (江戸川柳より)。

「花より団子」派の私としても、宴会自粛の今年の桜シーズンは大変残念ですが、不測の事態ですから仕方ありません。

宴会の有無は差し置いても、今年は忘れられない桜シーズンとなるかもしれません。史上最速のペースでやってくるからです。

桜の開花予想

ウェザーマップの予想によれば、東京の桜の開花予想日は次の土曜日(3月14日)で、例年よりも12日早く、観測史上もっとも早いのだそう。

驚くことに、北陸や東北の場合は、例年より2週間以上も早く咲き始めるようです。たとえば仙台は3月24日(例年より18日早く、もっとも早い記録より5日早い)、さらに金沢に至っては3月19日(例年より16日早く、もっとも早い記録より7日早い)とのことです。

そうした背景には記録的な暖冬があることは言うまでもありません。昨冬(12~2月)は、国内の7割の地点で観測史上もっとも暖かい冬となりました。

記録的に早い桜の成長、アメリカ

一方で、アメリカは史上6番目の暖冬となりました。このためワシントンDCにある国立公園のソメイヨシノも、いつもより早いペースで開花準備を始めているようです。

国立公園は、桜の成長を5段階に分類しています。それによると、3月3日に桜が2段階目に達しました。これは2004年に次ぐ観測史上2番目の早さだそうです。

さらに9日の最高気温は23℃と、5月並みの陽気が予想されることから桜の成長が加速し、3月27~30日に満開を迎えると予想されています。これは例年よりも5日ほど早いのだそうです。

アメリカで観測史上もっとも早い「春」

桜は日本人にとって春の代名詞ですが、アメリカ人にとってはその限りではないようです。

日本で気象会社が発表している桜前線のように、アメリカで春の訪れを示すものにはアメリカ国家季節学ネットワークが発表している「春指数(Spring Index)」というものがあります。

その基準となる植物は、ライラックとスイカズラです。これらの「新芽が出た日」と「花が咲いた日」が春の訪れの指標となっています。

上の図は、今年の新芽の出た日を例年との比較で色分けしたものです。赤色が濃いほど、いつもよりも早く若葉が出たことを表しています。

南東部のノースカロライナ州やフロリダ州などで、3週間も早く新芽が顔を出し、観測が行われている39年間でもっとも早くなりました。

また北東部ワシントンDCやニューヨークは24日早く、北西部シアトルやポートランドでは10日早く芽を出したということです。

124年で一番早い「春分の日」

このように植物が異例の早さで成長する今春ですが、早いのはそれだけではないようです。今年は、天文学上の春の始まりとされる春分の日もまた、いち早くやってくるのです。

2020年の春分は、細かく言うと日本時間の3月20日昼12時50分で、過去124年間でもっとも早く訪れます。

今春はいろいろな意味で、記憶に残る季節となりそうです。