世界遺産「ヴィクトリアの滝」が水枯れ 背景に100年ぶりの干ばつ

ヴィクトリアの滝の様子 (上の写真が2019年1月、下の写真は同年12月)(写真:ロイター/アフロ)

ユネスコ世界遺産で、世界三大瀑布の一つ「ヴィクトリアの滝」は、アフリカ南部のジンバブエとザンビアの国境に位置しています。落差と幅の両方から見た滝の規模としては世界最大級で、一秒あたりの流量は年平均1,000トンを超えるほどです。これは日本三大瀑布の一つ「華厳の滝」の1,000倍に匹敵します。

枯れたヴィクトリアの滝

今この滝で、異変が起きています。

上の動画は、最近撮影されたヴィクトリアの滝の様子です。滝の水がほとんどない状態で、岩肌がむき出しになり、渓谷のような姿になっています。

5月から12月頃は乾季にあたり、毎年11月頃は特に滝の水量が少なくなるそうです。しかし今年は際立って水が少なく、滝の流量は平年のおよそ半分25年間で最低だということです。

一世紀ぶりの干ばつ

その背景には、100年ぶりともいわれる大干ばつがあるようです。

ジンバブエでは主食のトウモロコシの生産が激減して、価格が5倍に跳ね上がったり、パンの値段は昨年の15倍に上昇したりなどして、人口の半数にあたる約400万人が飢餓の危機にあるといわれています。悲しいことに、赤ん坊を持つ母親たちも栄養失調で母乳が出ず、授乳もできないそうです。

さらにダムの水位が下がり、水力電力量も減って停電が発生、ジンバブエやザンビア両国の住民の生活を直撃しています。それだけではありません。干ばつで食糧を失ったゾウやクロコダイルなどの野生の動物が、人を殺したり、攻撃したりするケースも増えているようです。

アフリカ東部では大雨

反対に、アフリカ東部の国々では、記録的な大雨が降っていて、11月だけで250人以上が死亡、約300万人に被害が及んだと伝えられています。特に被害が大きいのが、ケニアやソマリア、エチオピアといった国々です。ケニアでは11月23日に大規模な土砂災害が発生し100人以上が死亡、さらに今月7日にはソマリアに元サイクロン「パワン」が上陸し、短時間のうちに3年分の雨が降りました。