ハリケーン・ドリアン襲来の米国 政府も信頼する「ワッフルハウス指数」とは?

(写真:ロイター/アフロ)

ハリケーン・ドリアンがアメリカ南東部に最接近し、猛威を振るっています。

被害が心配される中、ある飲食店の開店状況が注目を集めています。

その店とは、ジョージア州に本部を持ち、全米25州に約2,000店舗を構える「ワッフルハウス」です。ワッフルハウスは日本のコンビニエンスストアのように24時間営業、年中無休で、いつでも開いていることが売りのレストランチェーン店です。

そしてこの店の開店状況が「ワッフルハウス指数(Waffle House Index)」という名前で、ハリケーン等の被害状況を図る非公式的なインデックスとしてアメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁 (FEMA)により用いられています。

ワッフルハウス指数の経緯

この指数が始まった経緯は2004年に遡ります。

後にFEMAの長官となるフューゲート氏が、ハリケーン・チャーリーの被害状況の視察でフロリダに行った時のことです。甚大な被害を受けて、すべての店が閉店している中、ワッフルハウスだけが何店も営業していたのだそうです。フューゲート氏はその後幾度かハリケーンや竜巻の跡地を訪れた際にも、ワッフルハウスだけが開店していたことに気づき、2011年にワッフルハウスの営業状況から被害の深刻さを示す、この「ワッフルハウス指数」を考案しました。

3つの区分

ワッフルハウス指数は3つに区分されています。

緑:すべてのメニューを提供している。被害が小さいことを意味する。

黄:開店しているが、限定メニューを提供している。水、食糧や電気の供給が止まっている可能性がある。

赤:閉店している。甚大な災害が起きている。

(↑水や電力が使用できない場合などの特別メニュー)

ワッフルハウスの徹底した危機管理

この指数は、ハリケーンの風速から強さを表すサファー・シンプソン・ハリケーン・スケールを補足する大切な情報として、FEMAのみならず、他の政府機関に利用されているようです。

ではなぜワッフルハウスは、指数が作られるほど信用されるようになったのでしょうか。

それには、この会社の徹底したリスク管理があるようです。

USA Todayの記事によると、ワッフルハウスはハリケーンなどが予想される数日前から「ワッフルハウス・ストーム・センター」を開設して対策会議を開くそうです。

そのメンバーには会社の幹部の他に、気象予報士、エンジニア、食の安全のエクスパートなどがいて、刻々変わる嵐の状況や店舗の位置等から、どこの店に強化が必要かを予想し、それに応じて材料の調達を変えたり、ジャンプチームと呼ばれる支援部隊を派遣したりするそうです。

(↑ドリアンの対策会議の様子)

こうした徹底的なリスク管理のおかげで、強大なハリケーンが襲った場合でも指数が赤になる、つまり休業することはまずないといいます。

ドリアン最接近のアメリカでは…

左: 国立ハリケーンセンター提供のドリアンの予想進路図 (5日2時発表)。右: RAMMB/CIRA提供の5日朝の衛星画像。
左: 国立ハリケーンセンター提供のドリアンの予想進路図 (5日2時発表)。右: RAMMB/CIRA提供の5日朝の衛星画像。

現在アメリカにハリケーン、ドリアンが最接近しています。

現地時間5日(木)2時現在、最大風速51m/sのカテゴリー3の勢力となっています。沿岸部などでは洪水や停電が起きているもようです。5日(木)から6日(金)にかけてノースカロライナ州周辺に上陸する可能性も出ており、被害の拡大が懸念されています。

現在のワッフルハウス指数はどうでしょうか。

ワッフルハウスのCEOがFox Newsのインタビューで語ったところによると、フロリダなどの一部では限定メニューを提供しているものの、現在すべての店舗で営業をしているとのことです。つまり今のところ黄から緑で、大規模な災害は起きていないようです。