アマゾンで史上最多の山火事発生 その背景には何が?

アマゾン上空にかかる山火事の煙をとらえた衛星画像 (出典元 NASA)

このところソーシャルメディアで「#PrayforAmazonia (アマゾン川流域に祈りを)」なるキーワードが話題となっています。

今アマゾンで記録的な山火事が発生していることを受けて、海外のセレブをはじめ、多くの人々が声を上げているのです。

ブラジル国立宇宙研究所によると、ブラジルでは今年初めから今月20日までに、74,155件もの山火事が発生しているとのことです。そのうちの半数以上はアマゾンで起きています。ブラジルの山火事は、例年のこの時期と比べて84%も多く、さらに2013年の観測開始以来最大とのことです。

本来であればアマゾンの山火事シーズンは8~11月で、9月にピークを迎えます。

まだピークに達する前のこの時期に、前代未聞の数の山火事が起きているというのです。

広がる山火事の煙

山火事の煙は2,700キロ離れたサンパウロにも到達し、昼間にもかかわらず、市内は暗闇に包まれました。煙はペルーやボリビアといった近隣諸国、さらに大西洋にも広がっています。

なぜ山火事が多発しているのか

なぜ今年はアマゾンで、これほどまで山火事が多いのでしょうか。

ブラジルの気象局によると、雨の量は昨年よりも多いとのことです。

ではなぜかというと、急速に増加する森林伐採が関係しているようです。そしてその背景には、環境保護よりも開発を優先する現政権の政策があると言われています。

現在のブラジル大統領であるボルソナーロ氏は「トロピカル・トランプ」というあだ名を持つほか、「チェーンソー・リーダー」なる異名も持ち、今年1月に彼が就任してからというもの、アマゾンの森林が破壊されると懸念されてきました。

なぜ森林伐採が山火事をもたらすのか

ではなぜ森林伐採が山火事に繋がっているのでしょうか。

それは森を開拓するための方法として、人々が森に火を放ち、それが制御できなくなっているためです。本来ならば、アマゾンは湿度が高いために、自然に山火事が起こることはないそうです。

さらに森林伐採で木々が減ることで空気が乾燥し、火災が起きやすい状況になっているといいます。こうした負のスパイラルが、大規模な山火事を生んでいる一因です。

なおブラジル国立宇宙研究所は、今年6月の森林伐採の面積が前年に比べて88%も多かったと指摘し、間接的に現政権を批判しました。これを受けて大統領は、現在は焼き畑の時期であると主張し、同研究所の所長を解任しています。

異常現象が増える

今年はグリーンランドやシベリアといった場所で記録的な規模の山火事や氷の融解が起きています。

ただでさえこうした事態が起きていることに加えて、地球全体の2割の酸素を生成し「地球の肺」とも呼ばれるアマゾンが燃焼を続けていることで、好ましからざる現象が世界的に増加する可能性が高まっています。