【マドリッド41℃、パリ36℃予想】欧州に記録的熱波の到来か
ヨーロッパの「ジューンブライド(June bride)」の起源には、6月が花のシーズンであることが多かれ少なかれ関係しているようです。欧州の6月というのは、天候が穏やかで花が咲き誇る時期であり、色とりどりの花々が結婚式で使用されました。
しかし今年の6月は勝手が違うようです。今週は平均気温を10℃から15℃も上回るような高温となり、花も枯れるほどの酷暑が予想されています。
マドリッドでは41℃も
予想される最高気温は下記のとおりです。
例えばドイツ・ベルリンでは26日に最高気温が36℃まで上がり、スペイン・マドリッドでは27日から30日にかけて41℃となる見込みです。またフランス・パリでも33℃以上の気温が5日も続く予想で、FIFA女子ワールドカップの試合は暑さとの闘いともなりそうです。
これらの気温は、6月の月間最高気温の記録を塗り替えるどころか、国内最高気温記録となるかもしれません。
例えばドイツの最高気温の記録は40.3℃ですが、今週は41℃が予想されています。忘れがちですが今はまだ6月。そもそもこれほどの高温になることがないヨーロッパで、まだ体が暑さに慣れていない時期に暑さが襲うこととなり、被害が心配されます。
酷暑の原因
この暑さの原因は何でしょうか。
それは大西洋上の動きの遅い低気圧と、北欧に中心を持つ停滞する高気圧の間で、吹き続ける南風の影響です。このためアフリカからの暑い空気が長期間に渡って流れ込みます。
2万人の死者を出した2003年熱波
ヨーロッパ史上最悪の熱波といわれるのが、2万人超の死者を出した2003年8月の猛暑です。
特に被害が大きかったのがフランスで、中部オーセールでは8日連続で気温が40℃を超えました。オーセールの8月の最高気温の平均は26℃ですから、普段は札幌と同じくらい涼しい場所です。この熱波により、フランス全体で1万4千人が死亡したともいわれています。
こうした異例の暑さで、耳を疑うような出来事も起こりました。
この熱波が起きたときは多くの人々が長期間夏休みで家にいなかったために、親族が葬儀を行うことができず、数週間も遺体が冷凍室に安置されたり、仮の墓に一時的に埋葬されたりしたそうです。休暇の短い日本ではなかなか想像しにくい話です。
今回の熱波は2003年よりも短いものの、それ以上の高温となるところもありそうです。夏でも20℃台のヨーロッパはエアコンがない家庭が大半です。当局は「潜在的に危険な熱波」が襲うとして、先週から注意を呼び掛けています。