一昨年に災害起こした「ハト」が引退 台風の名付けのルールは?
1号、2号…と、国内では味気なく番号で呼ばれる台風ですが、国際的には名前で呼ばれることが一般的です。
例えば昨年関西国際空港に冠水などの被害を出した台風21号の国際名はチェービーで、2016年史上初めて東北の太平洋側に上陸した台風10号はライオンロックでした。
名前の付け方
台風の国際名は、北西太平洋の領域内にある14か国からなる政府間組織「台風委員会」で決定されます。それぞれの国が名前を10個ずつ出し合って、合計140個の名前が定められているのです。2000年から、発生した順番に台風に名前が付けられています。
日本は星座の名前を使用しています。カジキ、クジラ、コップ、トカゲなどがありますが、これらはすべて西欧の星座の日本語訳です。
リタイアする名前
リストの名前は繰り返し使用されますが、大災害を起こした台風の名前は変更され、以後使われなくなることがあります。
これまで災害が原因で変更となった台風は2000年から40個ありますから、1年に2~3個のペースで名前が変わる計算になります。そしてこの度、2017年に大被害をもたらした3つの台風の名前が変更となりました。
コイヌとヤマネコ
その3つというのが、2017年8月に香港に上陸し139人の死傷者を出した台風ハト(13号)、12月にフィリピンに連続上陸して290人以上の死者を出したカイタック(26号)とテンビン(27号)です。これらの台風は順番に、ヤマネコ、インニョン、コイヌに変更されました。今から3年後くらいに、発生することになりそうです。
台風に名前を付けた最初の人とは?
ところで、台風に名前を付けるという、洒落た慣習を始めたのは誰なのでしょう。
それはオーストラリア気象学者の祖であるクレメント・ラグ氏だと言われています。彼は1890年代にポリネシア神話に出てくる神や、女性、さらに嫌いな政治家の名前をサイクロンに名付けました。その中にはオーストラリアの初代首相もいたようです。
当然ながら彼は政治家の反感を買いました。おかげで希望していた役職に就くことができず、失意のままニュージーランドに渡りました。
やはり台風の名前には、ヤマネコやコイヌといった無難な名前がよいのかもしれません。