時計回りの巨大竜巻、マレーシア・ペナン島を直撃

竜巻の発生したマレーシア・ペナン島(写真:アフロ)

エイプリルフールの手の込んだいたずら動画と思いきや、この竜巻はどうやら本物だったようです。4月1日(月)午後1時半頃、マレーシアのペナン島で目を疑うほどの巨大な海上竜巻が発生しました。

下の動画には、高層マンションのすぐ目の前で、水しぶきを上げながら陸に向かって進む竜巻が収められています。

この竜巻は約5分後に上陸し、屋根が吹き飛ぶなど、少なくとも50軒の建物に被害が出たもようです。目撃者は「轟音がおそろしかった」「ここに50年間暮らしているが、初めてのことだった」などと語っています。

反時計回りの回転

目を凝らして動画を見てみると、この竜巻は時計回りの回転をしていることがわかります。

実は北半球において、時計回りの竜巻を目にするのは珍しいことです。例えばアメリカでは、全竜巻のうち90%以上が反時計回りとも言われています。

直径が数千キロにも及ぶ台風やハリケーンなどの現象にいたっては、地球の自転が影響し、北半球では常に反時計回りの回転をします。反対に南半球では、時計回りです。

しかし竜巻の直径は、せいぜい数百メートルです。こうした比較的小さな規模の現象には自転の影響は及びません。したがって、どちら方向にも回転する竜巻が存在するのですが、なぜか北半球では反時計回り、南半球ではその逆の竜巻が多く発生しています。

なぜでしょうか。

それは渦を巻く方向が、竜巻の回転を作り出す積乱雲と関係しているからですが、完全には解明されていないようです。

竜巻の性別

竜巻研究の世界的権威、故・藤田哲也博士は、北半球における反時計回りの竜巻を「男竜巻」、時計回りの竜巻を「女竜巻」と呼んでいました。その理由は「男竜巻」の方が強いものが多いからだそうです。

今となっては「MeToo」運動の波もあり、男女の冠のついた名前は受け入れられにくいでしょうが、竜巻を知り抜いた藤田博士ならではの茶目っ気溢れる命名と言えるかもしれません。