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【マイナス7℃】史上最も寒いNY・サンクスギビングデイ・パレード

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
史上最も寒い天気の中行われた、今年のメイシーズ・サンクスギビングデイ・パレード(写真:ロイター/アフロ)

3連休の日本は今季一番の寒気に覆われ、北日本では平野でも氷点下となり、積雪が予想されています。

一方、感謝祭(サンクスギビング)のお祭りモード真っ只中のアメリカでも、今季一番の寒さに見舞われています。ただその寒さは日本の比ではなく、北東部では観測史上最低気温が諸所で記録されています。

22日の気温の記録

毎年11月第4木曜日は、アメリカ最大の祝日の一つ、感謝祭(サンクスギビング)です。もともとはイギリスからの移民が、新しい土地でとれた初めての収穫を神様に感謝したことが始まりと言われています。アメリカではこの日に家族や親戚が集まって、ターキー(七面鳥)を食べるという習慣があります。

今年の感謝祭は11月22日で、この日ニューヨークの最低気温はマイナス7℃まで下がりました。これはこの時期の日最低気温の平均を10℃も下回る寒さで、感謝祭の気温としては1901年と1876年に並び、史上2番目に低い記録となりました。なお史上1位の記録は、1871年のマイナス9℃です。

一方、マサシューセッツ州ウースターではマイナス14℃、コネチカット州のハートフォードではマイナス12℃、ロードアイランド州プロビデンスではマイナス10℃に下がり、いずれも日最低気温を記録しました。

パレード

アメリカ感謝祭の恒例行事といえば、1924年から続くニューヨーク・マンハッタンで行われる「メイシーズ・サンクスギビングデイ・パレード」です。350万人の観客が訪れ、5,000万人がテレビで視聴するとも言われる国民的一大イベントです。

今年はあいにく、強い寒風が吹きつけ、気温もマイナス7℃と史上最も寒いパレードとなりましたが、多くの人々が帽子に手袋、厚手のコートなどで着込んでイベントを楽しんでいる様子が見られました。

寒さの理由「冬将軍」

この記録的な寒さの原因はなんでしょうか。

下のツイッターはニューヨーク気象局のものです。赤い線は空気の軌跡を表しています。

一週間前にシベリアにあった寒気がジェット気流に乗って、北極海、カナダを経て、22日(木)午前7時にはニューヨークに達するというものです。つまりシベリアからの寒気、いわゆる「冬将軍」がアメリカの記録的な寒さをもたらしたというわけです。

この寒気は昨年2月以来の強さで、強風の影響で体感温度もかなり低くなることから、気象局は寒さ対策をするよう人々に注意を呼び掛けています。

今後

一体、この寒さはいつまで続くのでしょうか。

幸いなことに、この異常な寒波は長くは続かないもようです。下の表は今後2日間の予想気温ですが、24日(土)には約10℃も気温が上がる見込みなのです。

またアメリカ気象局は、今冬北東部の気温は例年よりも暖かくなる傾向があると予想しています。

北東部の予想気温 (アメリカ気象局のデータをもとに筆者作成)
北東部の予想気温 (アメリカ気象局のデータをもとに筆者作成)
NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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