沖縄離島で「国内最大級の竜巻」発生 台風6号起因

気象庁提供の台風経路図に筆者加筆

週末に沖縄を直撃した台風6号は、時間降水量120ミリという50年に一度の大雨をもたらしたほか、国内最大級の竜巻をも発生させていたことがわかりました。このクラスの竜巻がかつて国内で観測されたことは4度しかありません。

被害の状況

16日(土)午前9時半頃、沖縄県・伊江島空港で秒速62.1メートルの突風が観測されました。空港格納庫の屋根ふき材の一部が飛散、事務所の窓ガラスが10枚以上破損、さらに自動車が横転するなどの被害が報告されました。

国内最大級の竜巻

気象庁は17日(日)、この突風が竜巻であった可能性が高いと発表しました。建物などの被害状況から、推定される最大瞬間風速は秒速70メートル(3秒平均)にも及んでいたことも明らかになりました。

この竜巻は、突風の指標である「日本版改良藤田スケール」で上から3番目に強い「JEF3」に該当します。このクラスの竜巻は国内最大級で、沖縄で発生した竜巻の中では史上最も強い勢力です。

新しく採用されたJEFスケール

気象庁の資料をもとに筆者作成
気象庁の資料をもとに筆者作成

世界的に使用されている竜巻の指標は「藤田スケール(Fスケール)」で、これは1971年に日本人気象学者・藤田哲也博士により考案されました。これは家屋などの被害状況から風の強さを推定し、それに基づいて竜巻の規模を判定するというものです。

2016年からは、現在の強固な家屋や建物の基準に合わせた「日本版改良藤田スケール(JEFスケール)」が用いられています。秒速の規定などが異なるものの、気象庁によると以前の藤田スケールと日本版改良藤田スケールの階級は、基本的には同じになるよう設定されているとのことです。

過去のF3竜巻

では過去に発生した「3」に相当する竜巻はどのようなものだったでしょうか。

昭和36年の統計開始以来発生したものは下記の4例で、近年では6年に1度の頻度で起きています。

筆者まとめ
筆者まとめ

竜巻の遭遇確率

日本で発生する竜巻の個数は、陸上で年間およそ25個で、そのほとんどは規模の小さなものです。

東京工芸大学名誉教授・田村幸雄先生によると「個々の建築物が竜巻に遭遇する確率は4万年に1度程度と極めて低く、大被害を生じる強い竜巻となると数十万年に1度程度でしかない」とのことです。つまり、大抵の人は竜巻に遭遇することなく一生を終えることになります。しかし一度遭遇すれば、その被害は相当なもので、竜巻からの身の守り方など防災の知識を日頃から身につけておくことも重要だと思います。

*参考資料*

「2. 日本版改良藤田スケール(JEF スケール)の策定」【PDF