まるで流氷のよう アメリカ河川で「アイスジャム洪水」発生 

米ニュージャージー州ハドソンリバーの様子 (8日)(写真:ロイター/アフロ)

アメリカ北東部の川では、記録的寒波からの気温上昇により、洪水が発生しています。

中でもニュージャージー州とペンシルベニア州をまたがるデラウェア川は、下の写真のように一面氷の塊で埋め尽くされています。この影響で川の水面が急激に上昇し、水や氷が周辺の道路や住宅に流れ出ているもようです。

このような洪水は「アイスジャム洪水(Ice jam flooding)」と呼ばれています。

アイスジャム洪水の起きるしくみ

メカニズムはこうです。

気温が上がり、川の表面の氷が解け、氷の塊が割れながら下流に流れると、やがて川の蛇行しているところなどで氷が積もって、流れが堰き止められます。その結果、川の水位が上昇し、洪水が起こるのです。

この現象は、特に寒さが緩む春に起こりやすく、ロシア、カナダ、アイスランドなどでもしばしば発生します。

(デラウェア川は、6時間で2メートルも水位が上昇した)

記録的な寒波・大雪の後の昇温

今回のアイスジャム洪水の原因は、年末年始にアメリカを襲った記録的な寒波・大雪と、それに続いた気温の上昇でした。

まず、昨年クリスマス頃から「ポーラーボルテックス」と呼ばれる渦の影響で、北極から北米大陸に寒気が流れ込み、平年の気温を15℃から20℃も下回る低温が続きました。続いて、1月4日には爆弾低気圧が発生し、記録的な大雪が降りました。

その後一転して急激な気温上昇が起き、春のような陽気になったことで、一気に雪解けが進んだのです。

「ハネムーン橋の崩壊」

崩壊したハネムーン橋 (撮影: Bernard Suitor氏)
崩壊したハネムーン橋 (撮影: Bernard Suitor氏)

過去にはカナダとの国境のナイアガラの滝周辺でも同じような現象が発生して、橋が崩壊する大事故も起きています。

1938年1月23日、強風を伴った突然の嵐によって、エリー湖からナイアガラの滝に大量の氷が流れ出しました。これによって、滝につながる川が氷で堰き止められ、川に架かっていたアッパースチールアーチ橋(通称:ハネムーン橋)が崩壊したのです。

アメリカではアイスジャム洪水により、年間1億ドル以上の経済的損失が発生しているといわれています。