ハリケーン「イルマ」キューバを直撃 93年ぶりの猛烈な勢力

9日キューバを直撃したハリケーン・イルマの赤外画像。NOAA

「ハリケーンは陸地を避ける」傾向もある一方、イルマは陸地に吸い寄せられるように、カリブ海の島々を次々と直撃しています。

(↑アメリカ領ヴァージン諸島の様子)

これまでに被害を受けた島は数知れませんが、特にバーブーダ島やプエルトリコ、ドミニカやバハマなどでは甚大な被害が発生し、その映像が次々と送られてきています。その被害の様相は、まるで巨大竜巻と大洪水が一気に襲ったかのよう。中でもバーブーダ島では、ほぼすべての建物が倒壊・損傷したと伝えられています。

上陸時のレーダー(キューバ気象局)
上陸時のレーダー(キューバ気象局)

そして8日(金)夜、キューバが次の標的となりました。イルマは上陸前に再び発達し、最大風速73メートルの「カテゴリー5」(ハリケーンの強さの階級の中で最強)の勢力でキューバを直撃しました。

気象学者のPhilip Klotzbach氏によると、キューバに「カテゴリー5」のハリケーンが直撃したのは1924年以来のようです。あまりの強風に、現地の気象観測所の測器が破壊されたとも伝えられています。

ハリケーン・イルマの現況

現地時間9日(土)02時時点のイルマの中心気圧は930hPa、最大風速69メートルと、やや弱まって「カテゴリー4」となっています。今後進路を北向きに変え、10日(日)朝にはフロリダ州南部に上陸する見込みです。フロリダ南部では大規模な高潮、600ミリを超える大雨や、風速80メートル以上の突風のおそれがあります。

National Hurricane Center
National Hurricane Center

全米史上最大級の避難命令

フロリダ州は全米で最もハリケーンの上陸数が多い地域なのですが、それでも、記録的な強さのハリケーンが近づいているために、約1週間も前から非常事態宣言が出されています。これまでに州人口の4分の1にあたる560万人に避難命令が出され、アメリカ史上最大級の警戒態勢が敷かれています。

フロリダ半島は東・西・南側を海に囲まれているため、陸路で逃げるのならば、行き先は北しかありません。そのため北に向かう道路では大渋滞が発生しています。このように行く手を阻まれている上に、3分の1のガソリンスタンドで、ガソリンがなくなってしまっているとも伝えられています。

「ハービー」・「イルマ」のダブルパンチ

イルマがアメリカに上陸するとなると、先月末テキサス州で壊滅的な被害を出したハービーに続き、2個目の強大なハリケーンが上陸することとなります。アメリカ本土に「カテゴリー4」以上のハリケーンが一年で二つ上陸したことは、かつてないことです。

一方で、これらのハリケーンの影響で、とあるアメリカ人老夫婦が話題になっています(写真↓)。その理由は名前にあります。なんと夫の名はハービー(104歳)で、妻の名はイルマ(93歳)なのです。75年間連れ添ってきた夫婦は、この偶然にさぞや複雑な思いでいることでしょう。