猛烈ハリケーン「イルマ」カリブ海バーブーダ島の95%の建物が倒壊・損傷

ハリケーン・イルマの赤外画像 (NOAA)

「バーブーダは、文字通り瓦礫と化した。95%の建物が破壊または損傷し、6割の住民が家を失った」

現地時間6日(水)朝、カリブ海に浮かぶバーブーダ島に、ハリケーン・イルマ(英語:Irma)が直撃し、首相がその被害をこのように語りました。通過時の中心気圧は916hPa、最大風速は約85メートルで、ハリケーンのスケールの中で最も強い「カテゴリー5」の勢力でした。

バーブーダ島では、まるで島全体が一つの大きな竜巻に遭ったかのような壊滅的な被害が広がっています。

「カテゴリー5」とは

台風の強さの階級には「強い・非常に強い・猛烈」がありますが、ハリケーンは数字で5段階に分けられています。強さを規定するものは中心付近の最大風速(1分間平均)です。そのうち風速が70メートルを超える最強なハリケーンが「カテゴリー5」で、これは「猛烈な台風」に匹敵します。(※ハリケーンでは"1分平均"の最大風速によって強度が識別されていますが、日本の台風の場合は"10分平均"です)

出典: NOAA
出典: NOAA

この強度のハリケーンが上陸した場合「壊滅的なダメージが起こる。多くの木造住宅が天板・外壁もろとも破壊される。数週間または数か月間、人が住めない状態になる」とされています。

なお、カテゴリー5のハリケーンが大西洋に発生するのは平均すると3年に一度のことで、アメリカ本土に上陸したのは、過去に3回しか例がありません。

イルマの進路

National Hurricane Center
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現地時間7日(木)夜のイルマの中心気圧は919hPa、最大風速は78メートルと、ピーク時に比べてやや弱まったものの、いまだ「カテゴリー5」の勢力を保っています。

9日(土)にかけて、去年ハリケーン・マシューで甚大な被害が出たハイチや、キューバ・バハマなどの国々に接近する見込みです。大規模な高潮の他、600ミリを超える大雨や風速95メートルの突風の可能性があり、大きな被害が懸念されます。

週末、アメリカに上陸か

現在イルマは、「バーミューダ・ハイ」と呼ばれる高気圧の縁に沿って西進を続けていますが、週末には北向きに進路を変え、10日(日)にはフロリダ州、11日(月)にはジョージア州やサウスカロライナ州などに上陸する恐れが高まっています。進路にあたる場所ではすでに非常事態宣言が出され、道路では大渋滞が発生しています。

予想される上陸時の勢力は「カテゴリー4」で、もしそうなるとハービーに続き、カテゴリー4のハリケーンが一年でアメリカに2つも上陸することになり、史上初の出来事となります。

大西洋に3つのハリケーン

National Hurricane Center
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今年の大西洋のハリケーンシーズンは例年になく活発です。イルマの他にも、現在2つのハリケーン(ホゼとカティア)が発生しています。同時に3つのハリケーンが大西洋に現れたのは、2010年以来のことのようです。

そのうちホゼは、イルマによって壊滅的被害が出ているバーブーダ島に9日(土)再び最接近する見込みです。すでに首相が「Barely habitable(ほぼ居住不能)」の状態だと発言している中での、2つ目のハリケーン襲来に、危機感が高まっています。