かかり続けた「線状降水帯」、過去にはアメリカで歴史的大雨も

5日16時の降水レーダー(気象庁)

5日(水)、西日本は記録的な雨に見舞われ、特別警報が複数回も出される大変な事態となりました。島根県波佐では、3時間雨量が7月の1位の記録となる167.5ミリに達し、また福岡県朝倉では24時間で515.5ミリという、観測史上最大の雨量を記録しました。

大雨の原因

この豪雨は、梅雨前線に向かって吹き込んだ、湿った空気が原因です。九州の場合は、南からの暖湿な空気が、佐賀県と福岡県にまたがる背振山地にぶつかり、雨雲が次々と発生し、それが線状に連なってかかり続けたことが原因とみられます。

線状降水帯とは

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この線状に伸びる降雨帯は「線状降水帯」と呼ばれています。「線状降水帯」とは、「発達した雨雲が次々と列をなして発生して、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過、停滞することで作り出される雨域」のことで、災害を発生させるような集中豪雨を作り出します。

2014年の広島市の土砂災害、2015年北関東などで起きた大洪水の際にも、線状降水帯が発生していました。

アメリカ千年に一度の大洪水

2015年には、アメリカ南部のサウスカロライナ州で、千年に一度とも言われるほどの歴史的な大洪水が起きましたが、これも線状降水帯が原因でした。その結果、降水量は5日で680ミリに及び、同州では非常事態宣言が出されました。洪水による死者は19人で、50のダムが決壊・氾濫し、州の半分以上の土地が浸水したのです。

ちなみに線状降水帯の英語名は「Training」で、これは雲の帯が、電車が連なる様子に似ていることから名づけられたようです。

大陸に伸びる梅雨前線

日本から中国大陸に向かって伸びる梅雨前線。6月下旬。(NOAA)
日本から中国大陸に向かって伸びる梅雨前線。6月下旬。(NOAA)

ところで、大きな衛星画像で雲の様子を見てみると、梅雨前線の帯が朝鮮半島南部から中国にも伸びているのがわかると思います。大雨の傾向は国内にとどまらず、台湾や中国などでも、洪水や土砂崩れが相次いで発生しました。台湾では2日で1,200ミリの雨が降ったり、中国では揚子江の水位が過去最高に達しました。

前線北上へ

8日の予想天気図(気象庁)
8日の予想天気図(気象庁)

梅雨前線が北上するに伴い、北日本、韓国や中国北部といった地域では今後警戒が必要となります。

なお、梅雨という名前は中国から来ていて、中国では「メイユ」、韓国では「チャンマ」などと発音されています。一般に中国南部の梅雨入りは4月、台湾は5月、上海は6月、そしてソウルは7月頃です。