1950年生まれ。法学博士。1973年京都大学卒業後大蔵省入省。主に税制分野を経験。その間ソ連、米国、英国に勤務。大阪大学、東京大学、プリンストン大学で教鞭をとり、財務総合政策研究所長を経て退官。東京財団政策研究所で「税・社会保障調査会」を主宰。(https://www.tkfd.or.jp/search/?freeword=%E4%BA%A4%E5%B7%AE%E7%82%B9)。(一社)ジャパン・タックス・インスティチュートを運営。著書『日本の税制 どこが問題か』(岩波書店)、『税で日本はよみがえる』(日経新聞出版)、『デジタル経済と税』(同)。デジタル庁、経産省等の有識者会議に参加
記事一覧
- 「新しい資本主義」に欠落するもの 第9回 消費税インボイスを企業経営に生かせ
2023年10月から消費税インボイス制度が始まる。「益税」をなくし消費税の信頼を高めると説明されるが、事業者間の消費税の転嫁を容易にするという効果や、電子インボイスで業務の近代化が図れる効果がある。
- 「新しい資本主義」に欠落するもの 第8回 Web3.0の世界と税制の構築
ブロックチェーンの発明、NFT、DeFi、DAOなど、非集権的・自律分散型社会であるWeb3.0の到来と言われている。一方NFTなどの法制・税制・会計は未整備で、司令塔を作って検討する必要がある。
- 「新しい資本主義」に欠落するもの 第7回 「賃上げ」と「資産所得倍増」の二兎を追う手段はあるのか
「新しい資本主義」は賃金増と資産所得増の二兎を追うが、企業からは、賃金増加か、配当増加か迷ってしまう。二兎を追う政策としては、従業員持ち株会制度の拡充、株式報酬の幹部従業員への拡充が考えられる。
- 「新しい資本主義」に欠落するもの 第6回 AIとBI(ベーシックインカム) そしてロボット・タックス
AIやロボットの発達は、ユートピアかデストピアかどちらをもたらすのか。ロボットと共存するためには、格差是正・所得保障・ロボットに負けない教育などが必要で、そのコストをどう負担すべきなのかを考える。
- 欧州の消費税減税はどう評価されているのか
野党は物価対策としての消費税減税・廃止を公約に掲げている。実際に消費税減税を実施した(現在まで継続している)欧州諸国の状況を見ると、消費税減税分が事業者のマージンになり物価引下げ効果はわずかのようだ。
- 「新しい資本主義」に欠落するもの 第5回 資産所得倍増と富裕層への金融所得課税
岸田総理が就任前に示唆した、格差問題への対応、一億円の壁、金融所得課税の見直しはどこに行ったのだろうか。資本収益率(r)が経済成長率(g)より大きい状況では格差はますます拡大する。対応が必要だ。
- 「新しい資本主義」に欠落するもの 第4回 雇用の流動化、人的資本の向上策-能力開発控除の創設
賃金が継続的に上がるためには雇用の流動化と労働生産性の向上が必要だ。そのためには失業・休業中の所得保障と能力開発をセットにした制度が必要。求職者支援制度の改革と能力開発控除の創設を提案。
- 「新しい資本主義」に欠落するもの(第3回)マイナンバー制度を活用したデジタル・セーフティネット
英国では所得情報を社会保障官庁に連携させてセーフティネット(ユニバーサルクレジット)の構築を行っている。わが国もマイナンバー制度を活用して、デジタル・セーフティネット構築の検討を開始すべきだ。
- 「新しい資本主義」に欠落するもの 第2回 フリーランスやギグワーカーのデジタル・セーフティネット
具体的な制度として、欧米諸国が導入し効果を上げている給付付き税額控除を提案したい。マイナンバー制度を活用して所得情報と給付を結び付けることでプッシュ型の制度が可能になる。
- 岸田総理の「新しい資本主義」に欠落するもの(第1回)
岸田総理の「新しい資本主義」には、AIやロボットの発達で加速する雇用不安や中間層の二極化への対応、具体的には税と社会保障を活用した国民の将来不安への対応という視点が欠けており、筆者の処方箋を連載する。
- 子ども10万円給付、なぜデジタルを活用しない? 「事後清算方式」は現実的でない。
子ども一人10万円給付について、所得制限を付けるかどうかで自民党と公明党でもめている。デジタル改革法の成立で、時間をかけずに所得制限することが可能になったはずだ。無駄な全員給付は避けるべきだ。
- 自民党総裁選、経済政策を評価する
高齢自民党総裁選挙で各候補者が経済政策を競っている。河野太郎候補の最低保障補償年金、高市早苗候補の給付付き税額控除、岸田文雄候補の成長と分配政策を比較して議論してみた。
- デジタル庁が成功するための2つの条件
来年通常国会に法案が出され9月1日に設置が予定されているデジタル庁。成功するためには、「各省の政策の中身について強い権限を持つこと」と、「技術屋と政策屋が一体となて仕事をすること」が必要だ。
- 次期政権の課題は、フリーランスのセーフティーネット
コロナ禍で、売上の減少したフリーランスなどに対して持続化給付金制度が導入されたが、不正や税務申告の不備などが発覚している。次期政権は、フリーランスのセーフティーネットの構築を真剣に検討すべきだ。
- 骨太方針から突然消えた財政目標
2020年度の骨太の方針の原案が明らかになったが、財政目標(プライマリーバランスの黒字化)が消えた。コロナ対策で予算の底が抜けたということだが、予算の目標がなくなれば財政赤字はますます拡大する。
- マイナンバー口座付番、国はきちんと説明しリーダーシップを発揮すべき
10万円給付がマイナンバーの口座付番に発展した。政府は、国民が給付を受け取るための1口座の付番を義務付けるようだが、「適正・公平な課税」と「社会保障給付・負担の公平化・効率化」という趣旨と外れている。
- ポスト・コロナ、財源なきベーシックインカムなどポピュリズムを排して冷静な議論を
コロナ禍が一段落すれば、新たな国家の役割に向けて議論が始まる。すでに財源なきベーシックインカムなどポピュリズム議論が出始めているが、国家は破たんに向かう。受益と負担、格差縮小などの議論を行うべきだ。
- コロナ経済対策、遅い、手間がかかる、対象がわかりにくい。
コロナ問題の家計への緊急支援策には、「遅い」「手間がかかる」「対象がわかりにくい」という問題がある。諸外国は番号で所得情報を管理し迅速な給付に結びつけており、わが国も同様の制度を整備する必要がある。
- 新型コロナ対策、消費税は傷つけるべきではない。マイナンバーの活用でバラマキでない給付を。
コロナ対策、安倍総理は「これまでにない発想で思い切った措置を講じる」と述べたが、財源は国民の税金、マイナンバーを活用しバラマキでない対策が必要。消費税は全世代型社会保障の財源で手を付けるべきではない。
- ギグワーカーが輝くためには社会保障・税制の対応が必要
プラットフォームを通じて、単発の契約により労働力を提供するギグワーカーは、世界的に広がっているが、縦割りの社会保障や税制はミスマッチを起こしている。定着するためには、税制や社会保障の手当てが必要だ。
- 瀬戸際のGAFAデジタル課税
GAFAの租税回避問題、本年末の合意に向けて検討が進められているが、米トランプ政権が変化球を投げかけた。OECDの合意ができなければ、欧州各国のGAFA課税によりデジタル経済は混乱に陥る可能性。
- ポイント還元は消費税制度の信頼を損なわないように
消費増税時に予定されているポイント還元は、消費者の混乱を招きかねず、ずるずる継続される可能性もある。そうなれば、何のための消費増税か、国民の信頼を失いかねない。期限が来たら直ちに廃止すべきだ。
- れいわ新選組とMMT(現代貨幣理論)の不思議な関係
「れいわ新選組」の公約は、「消費税廃止」で財源は借金だ。米国から「財政赤字は心配無用」のMMT理論ケルトン教授が来日したが、この理論は、90年代の日本で実験済み(失敗)。実験するなら米国で行うべきだ。
- 軽減税率、KFCのテイクアウトとイートインが同じ値段の理由
KFCが、軽減税率対応として、店内・持ち帰り同額の値段にする旨公表した。価格が異なることによる従業員や来店客の混乱を防ぐためだが、ドイツマクドナルドと同じ方法で、小売店の価格自由度を高めるものだ。
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