近畿は春も熱い! 大阪桐蔭など勝ち残る

夏の序章ともいうべき春の府県大会も終盤戦を迎え、熱い試合が続いている(筆者撮影)

 甲子園に直結しない春の大会は注目度が低い。しかし、夏のシード権も懸かっていて、チームとして軽視はできない。また、入学早々の新戦力を試す絶好の機会ともいえる。勢いをつけて夏の甲子園を射止めるのは?

緊急事態も試合は継続

 4月25日からの緊急事態宣言によって、特に大阪、兵庫、京都では部活動も大きく制限されている。幸い?宣言前に始まっていた春の府県大会は、さまざまな制限を設けて終盤戦に突入。すでに、兵庫、和歌山、滋賀では決勝が行われ、22日からの近畿大会出場校も決まっている。

智弁和歌山が市和歌山に雪辱

 全国的にも注目度の高かった和歌山は、センバツ出場の市和歌山智弁和歌山の決勝対決が実現。昨秋、3戦全敗でセンバツを逃した智弁和歌山が、7-1で雪辱して意地を見せた。救援登板となった市和歌山の最速152キロ右腕・小園健太(3年)は4回5失点と精彩を欠いたようで、夏の「本番」までにどう立て直すか、注目したい。和歌山はレベルが高く、和歌山東など、2強を追うチームも戦力は充実している。

神港学園が神戸国際大付を破る

 兵庫は、神港学園が1-0でセンバツ出場の神戸国際大付を破り、春は24年ぶりの優勝。北原直也監督(41)が現役だったとき以来とは意外だ。神戸国際大付は、1年生投手が台頭し、夏までの上積みも期待できるが、打線の強化が春夏連続へのカギになるだろう。報徳学園滝川二神戸弘陵など投手力のいいチームがひしめく兵庫は、毎年、組み合わせに左右される。

滋賀は近江敗退で混戦に

 春の近畿大会は、開催府県だけ3代表で、計8校が出場する。今春のホスト県となる滋賀は、綾羽が初優勝し、立命館守山滋賀学園という顔ぶれ(タイトル写真は準決勝の立命守山ー水口東戦)になった。盟主の近江は3回戦で立命守山に敗れ、秋に続いて優勝を逃した。実力的には滋賀学園が一番手で、シード落ちした近江がどこまで仕上げてくるか。今夏は多くのチームに甲子園のチャンスがありそうだ。

奈良はやはり天理と智弁

 奈良はセンバツで活躍した2強が盤石の試合運びで勝ち進み、決勝で当たることになった。センバツ4強の天理は、大黒柱の達孝太(3年)をうまく休ませながら、安定した戦いぶり。同8強の智弁学園は、ここまで打線が活発に得点し、打ち勝っている。ダブルエースの西村王雅(3年)、小畠一心(3年)を温存していて、天理戦での登板があるか。長年のライバル同士、夏に向けての駆け引きもあるだろう。2強を追う奈良大付が智弁に完敗した一方で、進学名門の畝傍(うねび)が天理に食い下がる健闘を見せ、夏につなげた。

大阪では履正社が夏のシード権逃す

 大阪と京都は無観客開催で、試合会場公表や報道対応も行われていないため、情報が極めて少ない。大阪は、2強の一角・履正社が4回戦で興国に敗れて、夏のシード権を逃した。大阪は全国で唯一、シード制を採用してこなかったが、昨夏からの導入を決めていた。5回戦進出の16校がシードされる。準決勝のカードは桜宮ー近大付関大北陽ー大阪桐蔭。大阪桐蔭は4回戦以降、全てコールド勝ちで、センバツ初戦敗退の汚名返上に燃える。履正社のシード落ちで、夏は6年前のような2強いきなり激突の可能性もある。

京都も平安がまさかのシード落ち

 京都は、有力校にクラスター(感染者集団)が発生し、混乱した。準決勝は、東山ー京都成章京都国際ー乙訓の顔合わせ。龍谷大平安が一次戦で立命館宇治に敗退する波乱はあったが、成章以外の3校は秋と同じ顔ぶれで、実力上位を証明した。秋に直接対決のなかった京都国際と乙訓の対戦は興味深い。京都は平安などシード落ちした有力校も多く、強豪同士の早期対戦があれば、様相が大きく変わるだろう。

近畿大会は有観客となるか?

 近畿大会は22日から皇子山球場で行われる。滋賀の今春は有観客開催で、スタンドでは多くのファンが熱戦を楽しんだ。もちろん、入場前の検温があり、試合中も「密を避けて」などのアナウンスが頻繁にあって、感染対策は万全に行われていた。しかし、緊急事態が今月末まで延長され、有観客となれば宣言下の府県からも多くの人が来県することになる。ファン垂涎の好カードが実現する可能性もあり、県大会同様の対応を期待したいところだが、滋賀県高野連も頭が痛いだろう。