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センバツ出場校直前予想! 関東・東京、近畿など、多数が難航か?

森本栄浩毎日放送アナウンサー
有観客での開催が決まったセンバツ。春の切符を手にする32校はどこか(筆者撮影)

 29日のセンバツ選考会が近づいてきた。先週、有観客での開催や、抽選会の前倒し、開会式の簡素化などの大枠は発表されたが、選考会はリモートで行われることになった。選考委員の多くはオンラインで会議に参加する。また例年、活発な質問が飛び交う21世紀枠のプレゼンテーションも対面形式をとらない。どこまで踏み込んで議論ができるか、注目したい。

昨年は「無風」の選考

 そして出場32校がいよいよ決まる。昨年は、近年まれにみる「無風」の選考となったが、今年は波乱の要素も少なくない。東北、近畿の最後の枠と、「抱き合わせ枠」のある地区の難航が予想される。( )内は選出校数。また選手の学年は4月からの新学年。

北海道(1)古豪・北海が好左腕擁し、力強く復活

 好左腕・木村大成(3年)が圧巻の投球を見せた北海が10年ぶりのセンバツを確実にした。夏も合わせると51回目となる。木村は鋭いスライダーを武器に、30回2/3を無失点。投球回数を大きく上回る41三振を奪った。本番でも注目投手の一人に挙げられるだろう。北海に0-1で惜敗した旭川実が補欠に回りそうだが、複数の好投手がいて夏の北北海道代表を期待したい。

東北(2)球数制限に泣かされた柴田の動向に注目

 宮城勢同士の決勝となり、仙台育英が圧倒的な強さを見せつけた。1年夏から甲子園を経験している伊藤樹(3年)を軸に、投手陣は5人の継投策。1年から正捕手の木村航大(3年)も経験豊富でディフェンス面の不安はなく、決勝で18得点した攻撃陣も層は厚い。その仙台育英に決勝で大敗した柴田は、初の甲子園なるか。1回戦からの登場で、準決勝までに予選1位を3校も倒したが、エース・谷木亮太(3年)が球数制限に泣いた。それまでの4試合で3完投していたこともあって、決勝で先発できず救援登板も、わずか19球4失点(自責1)で降板した。同じ宮城にあって、5投手を使い回せた強豪私学と、一人のエースに頼る公立の現状が浮き彫りになる形で、経緯をどのように説明するか、大いに注目したい。逆転があるとすれば、準決勝で仙台育英に0-1で惜敗の花巻東(岩手)の浮上だが、本番を前に球数論争に発展する可能性がある。

関東(4.5)5番手は逆転サヨナラ負けの東海大相模か

 健大高崎(群馬)が2年連続の関東王者に輝いた。かつての機動力野球から脱却し、強打を看板に甲子園でも頂点を狙う。関東大会4試合で8本塁打、安打のほぼ半数が長打というすさまじさだ。評判の好投手との真っ向勝負を見てみたい。その健大との決勝で9回に追いつかれ、延長で力尽きた常総学院(茨城)は、プロでも活躍したOBの島田直也監督(50)が甲子園初采配となる。甲子園準優勝投手の指導を受けた投手陣が、本番までにどれだけ成長しているか。準決勝は大差試合になったが、地域バランスもよく、4強で規定の枠は埋まりそう。センバツ未経験の専大松戸(千葉)は制球のいい横手投げの深沢鳳介(3年)が楽しみな存在。東海大甲府(山梨)は、完封負け寸前からの逆転サヨナラで東海大相模(神奈川)をうっちゃった。村中秀人監督(62)の指導を受けた好左腕・若山恵斗(3年)は安定感がある。甲府に惜敗の相模が、5番手に浮上するだろう。夏の交流試合で大阪桐蔭相手に力投した石田隼都(3年)がテンポのいい投球で攻守にリズムをもたらす。内容的にも、実力的にも、4強に見劣りしない。

東京(1.5)実力の東海大菅生に迫る日大三投手陣

 前評判の高かった東海大菅生が、投打に盤石の強さを発揮して6年ぶりのセンバツを確実にした。左腕・本田峻也(3年)、大型右腕・鈴木泰成(2年)の2枚看板に、DeNAの小池正晃コーチを父に持つ4番・小池祐吏(2年)らタレントが揃い、機動力も駆使して巧みな試合運びを見せる。決勝で1-6と完敗した日大三も投手陣は整備されている。都立の星・小山台を完封した左腕・宇山翼(3年)や同じ左腕の岡村海琉(3年)、右の矢後和也(2年)ら豪華な布陣。今後の底上げも期待できる。関東一と二松学舎大付はいずれも準決勝惜敗で力の差はないが、日大三を上回る材料は見当たらない。

甲子園春夏優勝経験校の争いか?

 したがって、「抱き合わせ枠」は、東海大相模と日大三という、甲子園春夏優勝経験校の争いになりそう。敗退した試合内容を比較すると相模にやや分があるが、投手陣を評価されれば日大三の逆転も。

東海(2)センバツ彩った名門2校が連続出場へ

 決勝カードはまたも中京大中京(愛知)と県岐阜商の顔合わせとなり、中京が序盤の劣勢をはね返してサヨナラで東海王者の座を守った。原動力は、先輩の高橋宏斗(中日)に勝るとも劣らないと言われる畔柳亨丞(くろやなぎ・きょうすけ=3年)だ。最速151キロの速球を軸にチェンジアップなどの変化球も多彩。決勝では追いついた直後に登板して圧巻の投球で、サヨナラにつなげた。打線は前チームより小粒になったが、決勝で6点差をひっくり返す粘り強さも兼ね備える。県岐阜商は、夏の交流試合で先発した左腕の野崎慎裕(3年)がエースに成長した。甲子園を懸けた岐阜一との同県対決では、注目の二刀流・阪口楽(3年)を初回から圧倒。野崎も完封で応え、中京とともに戦前からセンバツを彩った両名門が、2年連続の揃い踏みとなりそうだ。

北信越(2)星稜倒した上田西に初の春の便り届くか

 混戦模様に拍車をかけたのが星稜(石川)の準決勝敗退。苦戦続きも、試合終盤に底力を発揮した敦賀気比(福井)が抜け出した。左腕・竹松明良(3年)の故障を、準決勝以降、上加世田頼希(うえかせだ・らいき=2年)がカバーし、救世主になった。本番までにエースの復活が待たれる。上田西(長野)は、決勝こそ大敗したが、初のセンバツへ大きく前進した。星稜戦では、5番の飛鳥井洸(3年)が、2打席連続本塁打の4打点で援護し、エース左腕の山口謙作(3年)が1点差を守り切った。この勝利は大きく評価されるだろう。気比にあとアウトひとつから追いつかれ、延長で散った甲子園未経験の関根学園(新潟)が続く。

近畿(6)強豪が最後の1枠を激しく争う

 例年、最も難航する地区。今回も最後の1枠を巡ってきわどい決着になりそうだ。試合や選手については、昨年の近畿大会の記事を参照していただくとして、優勝の智弁学園(奈良)、準優勝の大阪桐蔭に、4強の市和歌山京都国際までは確実だ。特に決勝進出の2校は投打ともトップレベルで、本番でも優勝候補に挙がる。また、市和歌山の最速152キロ右腕・小園健太(3年)は、畔柳と並ぶ逸材で、大会の最注目選手と言っていい。京都国際は初の甲子園になるが、投手陣など下級生が伸び盛りで、勢いが感じられる。これに続くのが神戸国際大付(兵庫)。好投手・阪上翔也(3年)を軸に手堅い試合運びを見せる。あとの準々決勝敗退の3校は決め手を欠く。実力で4強を凌ぐ天理(奈良)は大阪桐蔭戦のコールド負けは痛いが、智弁を県大会で破っている。京都大会で京都国際を破った堅守の龍谷大平安は、軸になる投手がおらず、智弁に完敗した。智弁和歌山も投打にハイレベルではあるが、市和歌山に秋の公式戦で3連敗した。優勝した智弁に延長で逆転サヨナラ負けした滋賀学園にも、わずかながらチャンスが残されている。

中国(2.5)健闘した鳥取勢の3番手争い

 四国との「抱き合わせ枠」があり、お互いの地区の3番手のチームを比較する。夏の交流試合で天理を破った広島新庄が、さらにレベルアップした。右腕の花田侑樹(3年)が、天理戦で好投したエース左腕・秋山恭平(3年)を上回る活躍を見せた。花田は4番の重責も担う。上級生4人だけで準優勝した下関国際(山口)も本番までの上積みが見込める。特に投手陣はかなりたくましくなるだろう。3番手は準決勝敗退の鳥取勢の争いに。新庄に逆転で惜敗した鳥取城北が、試合内容で優位。県大会で城北を破った米子東は、下関国際戦のコールド負けが痛い。

四国(2.5)常勝・明徳に続く愛媛勢

 絶対王者の明徳義塾(高知)が危なげなく優勝した。出場が決まれば春夏通算40回目(春20・夏20)となる。秋に最も苦戦したのが、全国屈指の右腕・森木大智(3年)擁する高知との県大会決勝で、12回日没で決着つかず。再戦では、森木が投げない高知を圧倒した。左腕・代木大和(3年)が四国大会全試合を完投。堅守を看板にした抜け目のない野球は健在で、初出場校や経験の浅いチームが当たってはいけない相手だ。群雄割拠の愛媛で近年、メキメキ力をつけている聖カタリナ学園が2番手で浮上する。小松との甲子園が懸かった同県対決を延長12回で制し、初の甲子園を確実にした。女子校から共学になって、わずか5年目での大舞台となり、早くも「済美の再来」と期待が高まる。中国との比較になる3番手は小松か。県内屈指のベテラン・宇佐美秀文監督(63)が手塩にかけた好チームで、本格右腕2枚を擁する。

試合内容か地域性か

 鳥取勢との比較は、まず試合内容なら小松に分がある。鳥取が上回るとすれば、中国4強に県勢として2校が残った実績で、四国の愛媛2校との地域バランスだろう。

九州(4)大崎など4校で波乱なく決着か

 準決勝進出の4校で決まることが多く、今回も波乱の要素は少ない。それにしても大崎(長崎)の躍進には驚かされた。清水央彦監督(49)を慕う県内の有望球児が挙ったとはいえ、レベルの高い九州で一気に頂点まで駆け上がった実力は本物。エース・坂本安司(3年)と決勝で好投した左腕の勝本晴彦(2年)は、ともに完投能力があり、甲子園でも勢いに乗りそうな気がする。近年、好投手を相次いで輩出している福岡大大濠は、今回も投手陣がクローズアップされる。左腕の毛利海大(3年)は、バランスのいいフォームから低めに変化球を集め、奪三振も18回で19個。準決勝以降は疲れからマウンドを譲ったが、控え投手の層は厚い。3年連続出場が確実な明豊(大分)は、太田虎次朗(3年)、京本真(3年)の左右の2枚看板が楽しみ。九州大会では終盤まで打線が援護できず、苦戦が続いた。逆に、センバツに限れば52年ぶりとなる宮崎商は、打線が小刻みに得点し、エース・日高大空(3年)を援護した。投打の歯車がかみ合えば面白い。準々決勝敗退組も粒揃いで、特に明豊を7回まで4-0とリードした神村学園(鹿児島)は、エースが息切れして逆転負けを喫した。21世紀枠候補の具志川商(沖縄)も大濠と互角の試合をしたが、好機であと一本が出なかった。

21世紀枠(4)注目は富山の連合チーム

 宙に浮いていた神宮枠が回ってきたため、例年より広き門となった。まず、東日本と近畿以西の西日本からそれぞれ1校を選び、残る2校は地域を限定せずに選ぶ。注目は連合チームとして初めて甲子園出場の期待が懸かる富山北部・水橋だ。詳細は12月11日の記事に委ねるが、異なるユニフォームが「ワンチーム」で試合をすることになる。校歌や校旗をどうするか、など、出場が決まれば興味は尽きない。文武両道の筆頭格は石橋(栃木)で、県大会では作新学院を破った。9校中、戦力随一の東播磨(兵庫)も文武両道の好チームで、地区大会で強豪を破った具志川商(沖縄)や八戸西(青森)、知内(北海道)は、それぞれに好投手を擁している。投手のデータは当てになるので、かなりのアドバンテージになりそう。しかし最終的には当日のプレゼンがモノを言うので、いかに選考委員の心を揺さぶる話題を披露できるかがカギになる。

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

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