大阪桐蔭と天理、早々に激突か? ハイレベル近畿大会展望
近畿大会(17日~ わかさスタジアム京都)の組み合わせが決まった。近畿の来春センバツ枠は「6」と予想され、まずは4強入りが目標となる。昨年同様、ハイレベルなチームが集結する全国屈指の激戦区で、強豪といえども油断はできない。まずは、13日に決まった対戦カードを紹介する。(府県名の数字は予選順位)
A、滋賀学園(滋賀1)-智弁学園(奈良2)
B、龍谷大平安(京都1)-山田(大阪3)
C、市和歌山(和歌山1)-東播磨(兵庫2)
D、東海大大阪仰星(大阪2)-智弁和歌山(和歌山3)
E、和歌山東(和歌山2)-京都国際(京都3)
F、神戸国際大付(兵庫1)-近江(滋賀2)
G、大阪桐蔭(大阪1)-長田(兵庫3)
H、天理(奈良1)-乙訓(京都2)
準々決勝A-B、C-D、E-F、G-H
準決勝(A-B)-(C-D)、(E-F)-(G-H)
抽選は、予選1位校の逆ゾーンに2位校が入る。1位から順に抽選するが、4校ある3位校は、最後の抽選となり、初戦で同府県が対戦しないように配慮した。
大阪桐蔭と天理は早期対戦か?
まず、前回の記事で記したように、実力的には大阪桐蔭が筆頭であるのは間違いなく、これを追うのが天理。この2校は、初戦を突破すれば準々決勝で当たる。昨年は決勝で当たって、天理が達孝太(2年=タイトル写真)の力投で9回目の優勝を果たした。達はこの試合ですっかり自信をつけ、順調に成長している。対する大阪桐蔭は、野手の主力は抜けたが、エースの松浦慶斗(2年)をはじめ、投手陣は多彩で質もきわめて高い。攻撃陣も粒揃いで、得点力や確実性は前チームを凌ぐ。この両者が当たるとすれば準々決勝というのが、今近畿大会の最大のポイントだ。試合順も最後で、日程通りなら土日の連戦になる。
智弁和歌山は2勝が条件?
下位校で力があるのは、奈良と和歌山の智弁。まず、智弁和歌山は1位校と当たらなかった。したがって、初戦を突破しても、準決勝を前に敗退すると、選外の可能性がかなりある。近畿の準々決勝敗退組の選考では、下位校の場合、同県の1位校より先に負けないことが最低条件。仮に市和歌山とまた当たると、すでに和歌山大会で2度、敗れているため、絶対に負けられない。準々決勝の同府県対決は毎回、熾烈だ。
智弁学園は経験値突出
一方の智弁学園は、滋賀学園と当たる。エースの西村王雅(2年)、主砲の前川右京(2年)らの経験値は16校で突出していて、今大会も優勝候補の一角に挙げられる。対する滋賀学園は伝統的に県外試合に強く、今回は近江を破っただけに活躍も期待されたが、この相手だとかなり分が悪い。滋賀学園の阿字悠真(2年)は好投手だが、終盤につかまることが多く、どこまで粘れるか。
兵庫は神戸国際大付に期待
6年前の近畿大会で初戦全滅の兵庫勢は、今回の京都開催も全体的に厳しい対戦相手。東播磨と当たる市和歌山のエース・小園健太(2年)は、達を上回る速球を投げる。中盤以降、どこまで小園に食い下がれるか。70年ぶり出場の長田は、大阪桐蔭との対戦となった。無欲の挑戦に期待したい。神戸国際大付は近江と。手堅い野球が身上の国際は、力勝負を挑んでくるチームに苦戦する傾向があり、両智弁などと当たれば厳しい展開も考えられたが、近江の今チームは打線が例年より小粒で、失点が計算できそう。この両校はよく近畿大会で当たっているが、秋に関しては、国際の方が分がよかったはずだ。
好投手多く、対応できない強豪も?
地元の京都勢は、龍谷大平安に期待が集まる。初戦の山田は大阪大会で履正社を破って勢いに乗るが、無観客で慣れた球場とあって、平常心で戦えそう。乙訓は苦戦が予想されるが、好投手・北見隆侑(2年)が踏ん張って、天理を脅かしたい。実力的にワンツーとみられた大阪桐蔭と天理が早くつぶし合う組み合わせになったため、逆ゾーンの上位争いは混沌。智弁学園が優位だが、剛腕を擁する市和歌山の進撃も十分に考えられる。今大会は特に好投手が多く、予選無観客で偵察がかなわなかったため、強豪が対応できないまま抑えられてしまう波乱の要素がある。