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いよいよセンバツ選考会 32校を占う!

森本栄浩毎日放送アナウンサー
センバツ選考会が3日後に迫った。21世紀枠や抱き合わせの地区はどこになるのか

センバツ選考会が迫ってきた。出場校予想の記事などがネットや新聞で掲載され始めている。今回は、例年以上に21世紀枠が難解で、抱き合わせとなる関東・東京、中国・四国や、「神宮枠」を得た近畿などは最後のひと枠が激戦となっている。

( )内は出場枠、◎確実、○有力、△微妙

北海道(1)

◎札幌第一

秋の全道大会を連覇した札幌第一が当確。昨春、初戦敗退の雪辱に燃える。

東北(2)

◎仙台育英(宮城)

◎盛岡大付(岩手)

東北大会決勝進出の2校で間違いない。特に仙台育英は本大会でも有力視される。夏の甲子園で活躍した聖光学院(福島)も戦力は同等だが、盛岡大付を逆転するのは難しい。

関東(4~5)

◎作新学院(栃木)

◎東海大市原望洋(千葉)

◎前橋育英(群馬)

○健大高崎(群馬)

△慶応(神奈川)

△山梨学院

上位3校は県予選も1位であり、試合内容も申し分ない。健大は作新に2安打と打線が沈黙して準決勝敗退も、強豪・横浜(神奈川)を破った星が光る。準々決勝敗退組で浮上する一番手は慶応か。前橋育英を終盤までリードしながら、9回に失策絡みでサヨナラ負けした。健大を逆転できれば選出圏に入ってくる。夏の甲子園で好投した吉松塁(2年)が健在の山梨学院が続く。

東京(1~2)

◎早稲田実

△日大三

早実は、神宮大会でも準優勝し、本大会に期待を持たせる秋の戦いぶりだった。投手力に不安定さはあるものの、主将・清宮幸太郎(2年)が率いる打線は全国屈指。その早実を東京大会決勝で追い詰めたのが日大三。エース左腕・桜井周斗(2年)は清宮から5三振を奪い、主砲・金成(かなり)麗生(2年)は特大アーチを放った。この日大三と関東5番手の比較になるが、早実の神宮大会での活躍や、スケールの大きさから戦力的には日大三が上回ると判断されるだろう。慶応との比較になれば、神奈川1位の実績がどこまでモノを言うか。

東海(2)

◎静岡

◎至学館(愛知)

決勝の2校で順当。予選1位校が決勝に残れない波乱の大会となったが、県大会1位の中京大中京に9回2死から逆転で勝った至学館の戦いぶりは見事だった。ユニークな校歌で知られる。

北信越(2)

◎福井工大福井

○高岡商(富山)

△日本航空石川

決勝進出2校が濃厚。工大福井は神宮大会でも履正社を苦しめた。2校目は、実力で遜色ない航空石川の逆転も考えられるが、公立名門でもある高岡商が一歩リード。

近畿(7)

◎履正社(大阪)

◎神戸国際大付(兵庫)

◎滋賀学園

◎大阪桐蔭

◎智弁学園(奈良)

○報徳学園(兵庫)

△高田商(奈良)

△東山(京都)

△和歌山東

神宮枠を得て、7校が選ばれる。上位4校は組み合わせが決まった段階での予想通り。本大会でも上位を狙えるチームが並ぶ。センバツ連覇を狙う智弁学園は、前年同様、大阪桐蔭に敗れて近畿8強止まりだったが、総合力は前チームに見劣りしない。報徳は今回も当落線上だったが、神宮枠で安全圏に。問題はその神宮枠に入るチームだ。上位の府県バランスが悪かったため、初戦敗退の京都、和歌山勢が逆転を狙う。予選で強豪を連破した東山と、初戦突破ながら履正社にコールド敗退の高田商が争う。8強で同県同時敗退の場合、揃って選出されたケースはあまり記憶にない。今回は奈良がそれに相当する。それでも近畿での1勝と8強唯一の公立でやや高田商が有利か。和歌山1位の和歌山東は、9回の4点リードを守れず高田商に直接対決で敗れていて不利。また、大阪1位の上宮太子は、当然、実力評価は高いが、同一都道府県一般枠2校ルールにより、補欠校かと思われる。

中国(2~3)

◎宇部鴻城(山口)

○市呉(広島)

○創志学園(岡山)

決勝が大差試合になったため、市呉と創志の順位が入れ替わる可能性がある。その場合は、四国3番手との比較は市呉になるが、春夏とも甲子園未経験であり、広島予選で大敗していた広島新庄を中国大会で破ったことは大きな評価に値する。

四国(2~3)

◎明徳義塾(高知)

◎帝京五(愛媛)

△済美(愛媛)

△英明(香川)

予選1位が全て初戦敗退する波乱の大会となった。その中で、経験値の高さで群を抜く明徳が危なげなく優勝し、格の違いを見せた。決勝大敗とは言え、帝京五の選出も確実だ。問題は3番手で、準決勝敗退の上記いずれかになると思われるが、済美が明徳にコールド負けするなど両校とも決定打に欠ける。中国との比較になった場合は、最後の枠を譲る公算が高い。

九州(4)

◎福岡大大濠

◎東海大福岡

○秀岳館(熊本)

○熊本工

△れいめい(鹿児島)

九州は準決勝進出4校で決まることが多い。今回は県バランスが極めて悪く2県で4枠を占めたが、震災禍の熊本から伝統の熊本工が明るい話題をもたらしそう。秀岳館は準決勝の0-5での完敗を指摘される可能性もあるが、戦力的には大差ない。逆転の可能性を残すとすれば、東海大福岡に逆転サヨナラ負けを喫した予選1位のれいめいか。

21世紀枠(3)

富良野(北海道=全道8強)

不来方(こずかた・岩手=県2位、東北初戦敗退)

石橋(栃木=県2位、関東初戦敗退)

多治見(岐阜=県優勝、東海初戦敗退)

富山東(県2位、北信越8強)

洛星(京都=府8強)

倉吉東(鳥取=県4位)

中村(高知=県優勝、四国初戦敗退)

高千穂(宮崎=県2位、九州初戦敗退)

チームプロフィールは、12月16日の拙文を参照いただきたい。近年は、「戦力や選手をもっと知りたい」という選考委員もいるので、秋の成績も併記した。ところで、意外に知られていないのが、21世紀枠は一般選考よりも先に決まっているということだ。この2年、21世紀枠の結果に一般枠選考が左右されたのでは、と懐疑的になる選出があった。先例に倣えば今回も、中村が選ばれれば、バランスを考えて「中国3 四国3」に落ち着くか、とシナリオを描いてしまう。有力校のひとつとされる洛星が選ばれると、近畿が8校になって多すぎやしないか、とも考えてしまう。主催者は、「あくまで21世紀枠と一般枠は別もの」と予防線を張っているが、昨年、兵庫3校が実現しなかったことから、21世紀枠と一般選考はリンクしているはず、と思われるのは仕方がない。主催の毎日新聞には、9校の横顔が連日、掲載された。その中で、不来方と洛星の「部員10人」の苦労がしのばれるくだりがあった。心情的には、この2校に大舞台を踏ませたいという意識が働くと容易に想像がつく。しかし、10人のチームには、けがや病気など不測の事態によるリスクも存在する。ここが今回の21世紀枠を難解にしている大きな要因だ。

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

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