HCアセットマネジメント株式会社・代表取締役社長。三井生命(現大樹生命)のファンドマネジャーを経て、1990 年1 月ワイアット(現ウィリス・タワーズワトソン)に入社。日本初の事業として、年金基金等の機関投資家向け投資コンサルティング事業を立ち上げる。 2002 年11 月、HC アセットマネジメントを設立、全世界の投資機会を発掘し、専門家に運用委託するという、新しいタイプの資産運用事業を始める。東京大学文学部哲学科卒。
記事一覧
- リスクテイクを徹底すれば投資で損をしないのだ
投資の原則は損をしないことです。資産には本源的収益が内包されているのですから、投資とは、その収益を帳消しにするような損失をださないように、資産を管理することなのです。
- 賢い投資家が安眠できるのは時価変動の心配がないから
長期投資の長期とは、漠然とした長期ではなく、明確な短期の連続であり、長期投資の投資とは、投資対象の価値判断に基づいて、短期的な価格変動を上手に利用することです。
- 株式投資におけるバリュー、カタリスト、バリュートラップ
バリューのある株式、即ち割安な株式に投資することは基本的戦略ですが、多くの場合、バリュートラップ、即ち万年割安に終わるので、いっそのこと、意図的にバリュートラップを狙ったほうがよくはないか。
- キャピタルストラクチャの最下位の株式が投資価値をもつために
投資対象として株式を選択してから、投資先企業を選択するのは、順序がおかしくないか。投資すべき事業を選択し、その事業領域の企業を選択し、最後に株式や社債などの手段を選択すべきではないのか。
- パブリックな市場ではパッシブに、プライベートな市場ではアクティブに
アクティブ運用の代表であるバリュー投資は、パブリックな市場では、パッシブ運用に押されて衰退していますが、プライベートな市場では健在です。今や、投資の王道はプライベートです。
- 上手に儲ける投資はオポチュニスティックに
資金調達が必要なのに、諸般の事情で困難になっている企業があるとき、そこに資金供給することは、金融の社会的機能の本質であり、同時に、投資の絶好の機会、即ちオポチュニティーなのです。
- 投資は四つの簡単な算数なのだから
投資とは、投資対象の資産に内包している価値を享受すること、価値よりも低い価格で資産を取得すること、価値が成長していく資産を選択すること、資産の価値を高める努力をすること、この四つに帰着します。
- 企業金融はパブリックがいいのかプライベートがいいのか
株式上場や公募社債の発行などのパブリックな資本市場における企業金融に対して、プライベートな関係性のなかでの企業金融は、いかなる利点と欠点を有するのか。
- 速やかな事業再編にプライベートエクイティが不可欠なわけ
プライベートエクイティは、パブリックなエクイティ、即ち、上場されている株式に対して、上場されていない株式を意味しますが、非上場であることは、上場されていることに対し、何か特別な価値をもつのか。
- 借金をして不動産投資をすると大損をするわけ
借金をして不動産に投資することは、普通のことですが、借金の仕方を誤ると、大きな損失になります。逆に、借金をしない限り、不動産投資で損をするのは稀なのです。
- 不動産投資における投資対象は不動産ではないのだ
不動産投資は、不動産に投資することではなく、不動産から生じる賃料収入に投資することです。一般に、投資は、物や権利を単に所有することではなく、物や権利が生むキャッシュフローを得ることなのです。
- 投資対象でないものを投資対象にする技法
美術品を購入することは、社会的責任のある投資家の投資としては認められませんが、優れた美術品には大きな経済的価値があります。さて、アートを投資対象にできるのか。
- 日本的なものを徹底した先の真のグローバル
グローバル経済とか、グローバル人材の育成だとか、グローバルという言葉が頻繁に使われますが、グローバルとは何のことか、そこには、何か理念的なものはないのか。
- 金融機関は非金融の金融機能に勝てるのか
金融機能は、金融の領域において、金融機関から提供されているほか、非金融の領域において、商取引等のなかに内包されて利用されてもいます。さて、金融と非金融の境界は、どうあるべきか。
- 金融は下請制を温存させるのか解体させるのか
日本の産業界に幅広く定着している下請制においては、下請企業が構造的に不利益を蒙りやすくなるわけですが、その取引条件の公正化に、いかにして金融は貢献できるのか。
- 経営者よりも投資家のほうが企業価値を高める
投資対象としての上場株式の魅力を増すためには、コーポレートガバナンスや情報開示の改善が必須ですが、上場株式以外の投資方法を工夫することも重要だと思われます。
- 株式会社に出資することは贈与みたいなものだから
株式会社という制度は、あまりにも慣れ親しまれたことで、資本の特異な性格は意識されなくなりましたが、その贈与と債権の中間的性格は、常に、再検討されなくてはなりません。
- あまりにも杜撰な新生インベストメントの運用実態
金融庁は、新生インベストメントに対し、業務改善命令を発出しました。当社が投資運用業者としての基礎的要件を欠いているという当社固有の事案ではありますが、業界全体への影響もありそうです。
- みずほの業務改善計画と経営陣刷新が機能しないわけ
みずほ銀行は、一連のシステム障害に関し、業務改善計画を金融庁に提出しましたが、事象の背後にある真因が何であるかについて明らかにしておらず、単なる作文にすぎないようにみえます。
- 三菱UFJ国際投信の「地球ゴマ」は危ない玩具だぞ
三菱UFJ国際投信は、昨年末、目論見書の記載と異なる投資行動をとったとして、その誤りにより生じた損失を補填すると公表しました。この珍しい事案、一体、何が問題なのか。
- 投資と事業経営の優劣を決するのは資金調達力だ
事業経営に資金は不可欠ですが、必要なときに必要な資金を確実に調達できれば、手元資金を最小化できて、経営効率が高くなります。要は、経営能力とは、資金調達力に集約されるのではないか。
- 自転車操業は理想的な効率経営である
自転車操業とは、事業者に手元資金の余裕が全くなく、直前の入金によって、辛うじて出金が可能になるような状況ですが、その何がいけないのか、むしろ、資金効率を最大化しているのではないか。
- 金融の基本原則は顧客の利益に反した独善ではないのか
金融機関は、金融の基本原則に忠実であることによって、自己本位の独善に陥っているのではないか、金融庁のいう顧客本位とは、その独善の迷妄からの覚醒ではないのか。
- みずほのESGは投資戦略なのか営業話法なのか
投資運用業において、ESGやSDGsは、投資戦略上の判断要素なのか、投資戦略を超えた社会的責務なのか、それとも、投資戦略とは関係のない営業話法なのか。
- みずほの企業風土は金融庁の行政処分で変わるのか
みずほ銀行は、短期間に8回ものシステム障害を起こし、顧客に重大な影響を与えたことから、金融庁の行政処分を受けたわけですが、さて、みずほ銀行のどこが悪いのか。