長期のホームレス状態にあったひとの90%近くが住まいを得た「ハウジングファースト」が生まれた理由

いま某区において、住まいを失ったひとの半数が、生活保護を利用申請しても、その半数が、1ヶ月以内に失踪している現実があります。

日本のホームレス状態にあるひとの数は、おそらく数十万人といわれています。

多くのホームレス状態にあるひとは、目に見えない形で生きています。

そのひとたちへの支援の仕組みの中で、世界で最も、しかも圧倒的に大きな、ホームレス状態から脱する結果を生み出した方法を、ご存知でしょうか。

1980年代に、アメリカで生まれた「ハウジングファースト」という試みです。

障がいをもったホームレス状態にあるひとは、長期にホームレス状態にあることが、それまでの実戦経験からわかっていました。

そこに、サムさんという精神科病院に勤めていたひとが、ある日、病院から退院したひとが、また路上生活をしていることに気づき愕然としたといいます。

それで、サムさんは、彼ら彼女らのニーズを聞きました。当初は、治療を受けることが大事だと思っていたとのことでしたが、治療だけでは何の解決にはならないのではないかと疑問に思ったのです。

「どうしたい?」

その問いへの応えは、とてもシンプルでした。

「アパートに住みたい」

従来の、障がいをもつひとへの支援は、「トリートメント・ファースト(治療優先)」でした。しかし、それではみな、再びホームレス状態に戻ってしまったのです。

誰も、本人たちのニーズを聞いていなかったとも言えます。支援側の善意を押しつけ治療優先、生活訓練優先と考えてしまっていました。

サムさんたちは、治療を受けることを条件にすることをやめ、まずは、安定した住まいを提供する支援を開始しました。

そして、アパートに住んだあとに、必要に応じた、本人ニーズに基づいた、本人の同意に基づいた支援を開始しました。支援と住まいを完全に分け、支援がなくても住まうことができ、住まいを失っても支援を利用することができる仕組みを開始しました。

この結果、サムさんたちにとっても、驚くべき結果が生まれました。なんと、90%近くのひとが、この形の支援を利用すると、長期にホームレス状態だったひとたちが、ホームレス状態から脱することができるとわかったのです。

この研究成果はまたたくまに注目され、

今、発祥の地アメリカのみならず、カナダ、フランス、オーストラリア、フィンランドなど、各国で国の実践として実行されています。

そしていま、日本でもはじまろうとしています。

ハウジングファーストに関して、ご興味みいただけましたら、ぜひ、いろいろと調べていただけましたら幸甚です。

各地でイベントなども行われ始めています。

  • ホームレス状態とは、住まいを失った状態をいいます。路上生活者だけでなく、シェルターにいるひと、精神科病院に長期に入院している状態にあるひと、刑務所にいて住まいのないひとなども含まれます