情報漏洩の犯人は君だ!~友達の友達は赤の他人だ!~

情報漏えい

日本年金機構の情報漏えいという大問題の陰に隠れて、さほど大きな話題にはなりませんでしたが、6月中旬にりそな銀行が個人情報漏えいの問題を起こし、銀行として公式に謝罪するという事件が有りました。この事件だけが原因では有りませんが、りそな銀行の株価が下がり、株式総額で一日の間に400億円以上が消えてなくなるというほどの大事件でした。では、どれだけの個人情報がもれたのでしょうか。日本年金機構と同様、100万人分以上の個人情報が漏れたのでしょうか。いいえ、そうではなく、結果的には一人、あるいは二人の個人情報が漏れただけなのですが、銀行としては大問題になったのです。経緯を説明しましょう。

りそな銀行の都内支店に、芸能人である関ジャニ∞の大倉忠義さんや人気俳優の西島秀俊さんが訪れ、彼らの口座の開設や銀行カードの紛失等についての内容がツイッターに書き込まれたのです。本来、銀行の従業員でしか知り得ない内容が本人以外から書き込まれ、ツイッターで大騒ぎになりました。詳細を調べると、その銀行支店の従業員が、自分の子どもに話した事によって、その子どもがツイッターに書き込んだ事が原因でした。

銀行に取って、あるいは銀行だけでなく、客相手の商売であれば、芸能人であれ、一般人であれ、その人が、どのようなサービスを受けているか、何を購入しているのかということはプライバシーに関わる重大な個人情報です。それが当事者以外の第三者に漏れるだけでも大問題であり、さらにツイッターという世界中の人が見る事の出来る場所に書き込まれたという事が、その店(銀行)にとって信用問題に関わる重大問題となったわけです。

この十数年で時代は大きく変わったということを認識しなければなりません。ネットは単に便利な道具というだけでなく、社会を変えてしまったと言っても過言ではないのです。つまり、今回の事件でもネット社会以前の時代では大きな問題にはならなかったでしょう。昔も今も、銀行に取って、顧客の情報、つまり個人情報の重要性や価値は変わっていません。当時も漏えいがないように十分注意されていたはずです。しかし、従業員が、自分の子どもに仕事の内容、たとえば今回のように、芸能人が来店した事を自慢げに話す事はあったでしょう。その子どもの学校に行って、友達に自慢げに話したかもしれません。しかし、その話題がそれ以上に広がる事、つまり友達から友達に話すことで、多くの人の話題になるまでには至らなかったのです。現在は異なります。子どもがネットに投稿すれば、全世界中の人が一瞬で知ることができるのです。

大人も子どもも、LINEやツイッターといったSNS(ソーシャルネットワークサービス)をはじめ、ネットを使うようになった現在、ネットが友達であるような感覚を持っているようです。確かに普段利用するLINEやツイッターといったネットワービスの向こう側には、自分の味方になってくれる人ばかりのようです。しかし、本当は自分に反感を持っている人たちが隠れていて、聞き耳を立てているのです。そのことを肝に銘じなければなりません。「いや、LINEやツイッターを利用する際には、利用者制限、つまり見れる人を制限しているから大丈夫」という人がいます。しかし、その友達が不注意にも他人に書いた内容を漏らしてしまう事もあるのです。りそな銀行の件も、自分の子どもだからと安心した心の隙があったのかもしれません。

少し前の人気テレビ番組で「友達の友達は皆友達だ!」という言葉が有りました。ネット社会では、少なくとも「友達の友達は赤の他人だ!」と考えるべきでしょう。