負のダイポールモード 現象発生、この夏は猛暑になるか?

猛暑による夕立(筆者撮影)

 国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)によると、この夏、負のダイポールモード現象が発生する確率が高い。ダイポールモード現象は、インド洋で海水温の分布が変動する現象で、昨年から今年の3月まで続いていたオーストラリアの大規模森林火災の原因としても取り沙汰されていた。

 昨年の夏から秋にかけては、インド洋の東部で海水温が低く、西部で海水温が高くなる正のダイポールモード現象が発生していた。このため、インドネシアやオーストラリアでは雨が少なく干ばつが起き、東アフリカやアラビア半島では大雨に見舞われた。この夏は、負のダイポールモード現象、つまり、昨年とは逆に、インド洋の西部で海水温が低く、東部で海水温が高くなるという予想だ。

 ダイポールモード現象の日本の夏の天候への影響については、正のダイポールモード現象が発生すると、太平洋高気圧の勢力が強くなって、暑い夏になる傾向がある。たしかに、昨夏も北日本、東日本を中心に夏の平均気温は平年を上回った。

 一方、負のダイポールモード現象が発生した場合の傾向は明瞭ではない。しかし、海水温が高いインド洋の東部で対流活動が活発になって、熱帯の暖気が上空に運ばれると、チベット高気圧の勢力が強まる可能性がある。それだけならまだしも、もしも太平洋の西部で海水温が高くなるラニーニャ現象が併せて発生すると、太平洋高気圧の勢力も強くなり、日本付近は二重に高気圧に覆われて、極端な猛暑になってもおかしくない状況になる(アニメーションは筆者作成)。最近この両方が同時に発生したのは2010年。観測史上最も暑い夏と言われた夏だ。今のところラニーニャ現象が発生する確率は30%で、それほど高いわけではないが、地球温暖化の影響も考えると、この夏も猛暑を覚悟しなければならないだろう。

 また、太平洋高気圧、チベット高気圧がともに強くなると、湿った空気は流れ込みにくく、盛夏には雨は少なくなるかもしれないが、移行期にあたる梅雨は、湿った空気が大量に流れ込んで、大雨になるおそれもある。

 25日月曜日には、気象庁から6月から8月までの3か月予報が発表される。