非常に強い勢力で北上を続けていた台風18号は、10月3日午後3時には中心気圧が915hPaまで下がり、猛烈な強さまで発達、久米島に向かって北上を続け、午後6時には中心気圧905hPa、最大風速は60m/sとなって、午後7時すぎ、気象庁は沖縄本島地方に特別警報を発表。

台風の暴風域が比較的小さかったことから、台風の接近に伴って急激に風雨が強まり、日付が変わって0時40分すぎには、久米島空港で59.7m/s、久米島で56.8m/sの最大瞬間風速が観測されるなど、各地で暴風が吹き荒れた。

ところで、905hPaという記録的な気圧の低下にもかかわらず、台風が直撃した久米島では、気圧の低下は950hPa台にとどまった。

気になったので、今年気圧を観測している地点の近くに上陸した台風と、去年、八重山地方に記録的な暴風をもたらした台風15号、21号について、台風観測による中心気圧と、地上気象観測による気圧(海面更正気圧)を比較してみたところ、観測時刻に若干のずれはあるものの、両社の間にはほぼ誤差は見受けられなかった。

日 付    地点  台風の中心気圧  地上気象観測

  • 2015年15号 8月23日21時 石垣島  940hPa  946.7hPa (+6.7hPa)
  • 2015年15号 8月23日19時 西表島 945hPa  943.9hPa (-1.1hPa)
  • 2015年21号 9月28日15時 与那国島 925hPa  949.3hPa (+24.3hPa)
  • 2016年9号 8月22日12時 館山  975hPa  977.2hPa (+2.2hPa)
  • 2016年10号 8月30日18時 大船渡  970hPa  968.4hPa (-1.6hPa)
  • 2016年12号 9月 5日 1時 長崎  996hPa 1004.2hPa (+8.2hPa)
  • 2016年16号 9月17日11時 与那国島 930hPa  936.5hPa (+6.5hPa)

* 2016年18号 10月4日 0時  久米島  905hPa  957.2hPa (+52.2hPa)

去年、与那国島で81.1m/sの最大瞬間風速を記録した台風21号は、差が20hPa以上あるが、これは観測地点と台風の中心が50km以上離れていたことが一因と思われる。しかし、台風18号に関しては久米島の観測地点と30km足らずの所を中心が通過したにもかかわらず、気圧の数値の差は50hPa以上。台風観測と、気圧計による直接観測では、もちろん多少の誤差が生じることはあるだろうが、この開きは誤差と言うにはあまりに大きいような気がする。台風の風は中心気圧だけで決まるわけではないから、中心気圧イコール勢力ではないが、905hPaの台風と955hPaの台風ではあまりに印象が違いすぎる。

もちろん、それぞれルール通りにきちんと観測あるいは推定された結果であろうし、実際に大変な暴風が吹いているわけだから、数値に間違いがあるとは思えないが、これだけの差が出るのは、この台風の構造が非常に珍しいものだったのか、極端に発達した台風の場合は観測誤差が大きくなりやすいのか、あるいは他に要因があるのか、現段階はまだ速報値なのでなんとも言えないだろうが、今後の解析結果が興味深い。