地球温暖化対策、次の打つ手は…

IPCCの報告書の表紙

10月27日から31日にかけて、デンマークのコペンハーゲンで開催されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第40回総会で、第5次評価報告書の統合報告書が採択された。その内容はというと、1950年代以降、過去数千年間にわたり前例のない温暖化が進んでいて、その原因が人為起源の温室効果ガスの排出が支配的な原因であり、近年の人為起源の温室効果ガスの排出量は史上最高であるという衝撃的なものになっている。しかも、報道によれば、現在のペースで排出が続けば、あと30年で限界を超えるという見通しも示された。

こんなにがんばっているのに、である。熱中症や雪害が増加する中、夏はエアコンの設定温度を上げて、冬は下げて、照明は落として、エコカーに乗って、エコドライブを心掛けて、エコバッグを持ってクールビズやウォームビズ用の服や、高いけど長持ちで消費電力が少ないLED電球を買いに行き、商品についていた値札や包装用のビニールを細々と分類してリサイクルに回し、来る日も来る日もエコエコエコエコしているのに、残念ながら全然効果出てません、と言われているようなものである。

なぜか。1.日本国民の努力は効果を上げているが、日本以外の国や地域の温室効果ガスの排出量がそれを上回っている。2.我々の努力がまだ足りない。3.温暖化を緩和することができると信じてやってきた行為が間違っていた。の3つが考えられる。

1.に対しては、もしそうだとしても外国のことになるので、われわれ一般市民にはなすすべもなく、対策は政治家や大企業の手に委ねるしかない。2.だとすると、少しげんなりしてしまうのではないだろうか。これ以上どうすればよいのだろう。やはり市民レベルでできることは限られる。3.に至っては、そんなことがないことを願うばかりだ。なにしろ、これまでの対策にはそれなりに出費も伴っているし、税金だって使われている。方法が間違ってました、なんて聞きたくない。

そんな手詰まり感の中、今年もウォームビズが始まりました、というニュースが流れた。11月から3月いっぱい室温の設定を20℃に下げる云々という内容である。まだそんなことをしているのかと驚いた。なぜ日付で区切るのだろう。気温はその年によっても違うし、もちろん日々変化する。そして、まさにその変化が問題になっているというのに、人間の都合で作られた暦を機械的に当てはめることの方が問題ではないのか。

東日本大震災後で電力不足が懸念されていた2011年の6月1日、調べたいことがあって環境省を訪れた。その日からクールビズがスタートということで、職員がみんな薄着、半袖で働いている。しかし、当日の東京の最高気温は18.5℃。最低気温も12.1℃で4月並みの肌寒さである。多くは言わないが、環境行政を司る環境省のセンスに唖然としたのを思い出した。クールビズでもウォームビズでも、通年実施して、その日の気温や天候、そして仕事の内容によって服装は自由、というのが本来あるべき姿ではなかろうか。かつては日本社会の美徳でもあったかもしれない「制度・ルール」の「忠実な遂行」という方法だけで、この気候変動を乗り切れるとは到底思えないのだが。

数々の施策や努力にもかかわらず、日本の温室効果ガスの排出量は13億4,300万トン(2012・二酸化炭素換算)で、京都議定書の基準年と比べると6.5%の増加となっている。一時期、2008年から2009年にかけては排出量が減少した。しかしこれは努力の結果というよりも、リーマンショックに端を発する不景気の影響だ。消費増税が議論されているが、増税した場合、しなかった場合、環境問題にはどのような影響を想定しているのだろうか。それとも全く考えていないのか。