『バリバラ』桜を見る会(1)再放送中止ばかり話題だが、ヘイトに向き合う伊藤詩織氏がデビューした回だ

『バリバラ』伊藤詩織氏(左)と崔江以子氏(右)4月23日・筆者が画面撮影

■“革新性”や“斬新さ”が目立つロックな番組

 『バリバラ』の「バリバラ桜を見る会」(「第一部」は4月23日、「第二部」は4月30日に放送)は一言で表現するならば「ぶっとんだ」番組だった。音楽で言うなら「ロック」。かつてのローリングストーンズやビートルズのような反権力、反権威、反主流派という「におい」が強烈に漂う番組だった。

 反骨精神を貫くことを今の若者たちも「ロックだね」などと表現するが、そういう意味では「ロックな番組」だった。

 ときおり「安倍総理」や「麻生副総理」を彷彿とさせる寸劇や漫才が仕込まれていた。だが、単に権力者の言動を貶めて「笑い」を追求するのではなく、権力者の振る舞いが障害を持った人たちや性暴力の被害者、ヘイトデモなどにさらされる人などの立場から見たとき、この国ばかりか世界中で大切にされるべき「多様性」や「バリアフリー」の現状の進み具合はどう評価されるのか。あくまで「バリアフリー・バラエティー番組」としての姿勢を貫いていたと思う。

 この番組はNHKが「第一部」の再放送をせず、予定外に他の番組に差し替えた事態に陥ったことで様々な臆測を呼んだ。与党や政権からの政治的な圧力があったのでは?局上層部の忖度があったのでは? さらに「第二部」が放送中止になるのでは?などの懸念の声がメディアで取り上げられた。しかし結果的に「第二部」は放送された。

 結果的にこの再放送中止騒動に関心が集まってしまったことで番組そのものが持っていた“革新性”や“斬新さ”があまり注目されなかったことを非常に残念に思う。実は「差別」や「ヘイト」というネット社会につきまとうテーマを深掘りする、なかなか硬派な番組だったのだ。

 そこで番組が目指していた“革新性”や“斬新さ”に着目して、その内容を検証してみたいと思う。

  

■『バリバラ』は元々「タブーに挑戦する番組」

 『バリバラ』はNHKがEテレで毎週木曜夜に放送している「バリアフリー・バラエティー番組」だ。制作しているのはNHK大阪放送局。局内では東京の「AK」に対して、「BK」と呼ばれていて、東京の中央意識に反発する気風が歴史的に強いところだ。

 『バリバラ』も時々、それまでの放送業界のタブーに挑戦してきた。放送業界で話題になったのは、「障害者の性」を取り上げた放送で、障害を持っている人にも「性欲」があるという当たり前のことを当人たちに語らせ、障害に応じた「性行為」のあり方まで追求してみせた。肢体不自由な人同士が介助者の手を借りてセックスしたり、半身麻痺の人たちが「想像」をしながら「エアーセックス」したりするなどの生々しい表現が賛否両論を巻き起こした。他方で健常者にとっても性の本質とは何かを考えさせるような深い放送だった。

 障害者自身は「感動ポルノ」としてステレオタイプの感動の道具にされてしまっているのでは?と問題提起した日本テレビ『24時間テレビ』のパロディー番組も賛否両論の渦を巻き起こした。『24時間テレビ』にも出演者した障害者本人が『バリバラ』で放送したパロディー番組にも出演。『24時間』では「障害と闘いながらけなげで頑張る感動的な障害者」として描かれてしまった違和感を告白した。

 私たちは障害者を「感動ポルノ」に当てはめてしまうことで障害者自身の本音やそのリアルな姿を見ていないのではないか。そう提起したこの放送がきっかけで「感動ポルノ」は一躍、流行語になった。

 世間に広く残る常識的な捉え方と障害者側から見た「本音」。毒のある笑いで問題提起するスタイルがこの番組の真骨頂だ。

 この『バリバラ』が「バリバラ桜を見る会」というタイトルで2回にわたって放送する。ということであればタブーに挑戦するものになるはずだとして筆者も注目していた。

■「バリバラ桜を見る会」のコンセプト

 「第一部」(4月23日放送)。冒頭は大阪市の空撮映像でカメラは大阪城にズームインする。桜越しの天守閣の映像の後にスタジオで「桜を見る会」の寸劇が行われる。(なぜ大坂城が登場するのかは実は「第二部」を見ないことには分からない)

 

 主宰する首相とおぼしき男性(戯作者の松崎菊也が演じている)が「よろしく」と出席者に握手しながら声をかける。

  「来賓のみなさま。支援者のみなさま」と言った後で首相とおぼしき男性がはげた頭に大きな虻(あぶ)の模型を貼りつけて「バリバラ国あぶ、ない閣総理大臣アブナイゾウでございます。みなさまのおかげでこの桜を見る会、今年も完全な形で開催することとなったわけでございます。ここで例年の一句を披露していきたいと思います」

  その後で読み上げられたのは

「公文書 散りゆく桜とともに消え」

(会場は失笑)

 財務省が改さんした公文書や桜を見る会の招待者リストなど、様々な「公文書」が消えていった。桜の会も様々な真相がよく分からないままに2020年は開かれないことになった。そのことを皮肉った風刺の句である。  

 この後で2019年「桜を見る会」で有名人に囲まれた安倍首相と昭恵夫人の笑顔や1953年の「観桜会」(当時の吉田茂首相の姿が見える)の映像で歴史を振り返った後で安倍首相が「来年の桜を見る会は私の判断で中止することになりました」と表明したぶらさがり映像が流れる。

 そこでこの番組が2020年「桜を見る会」を実施することになったが、2019年度にバリアフリーと多様性を進めた功労者たちとして映画「パラサイト」のポンジュノ監督、テニスの大坂なおみ選手、バスケの八村塁選手、反ヘイト声を上げた女優の水原希子さん、ラグビー日本代表チーム、重度障害で国会議員になった木村英子・舩後晴彦参議院議員らの中から、「招待客No.1」として、自らの性暴力被害について実名で告発したジャーナリストでドキュメンタリー作家の伊藤詩織さん、「招待客No.2」として在日コリアン3世でヘイトデモに対して声を上げ続けて川崎市のヘイトスピーチ規制条例成立をもたらした崔江以子(チェ・カンイヂャ)さん、「招待客No.3」として聴覚障害があって、不妊手術を強制的に受けさせられたとして旧優生保護法をめぐる国家賠償訴訟の原告となっている小林喜美子・寶二さん夫婦を選んだ。

 社会を動かし始めた当事者たちと一緒にバリアフリーと多様性を考える。それが番組のコンセプトだ。

そうした功労者自身が気になる人をそれぞれ話してもらった。

(崔江以子さん)

「私はラグビーの日本代表チームの姿がとっても豊かだなと思っていて、日本と外国のダブルルーツの選手や外国籍の選手が日本代表チームで活躍をして、そういう多様なルーツを持つ子どもたちが将来、『ああ、自分もこの日本社会で活躍できるんだ』ととてもうれしく思いました」

 伊藤詩織さんは新型コロナの感染予防のため、スタジオの出演者の中でただ一人マスクを著用していた。 

 もちろん性暴力事件の被害者という立場での出演だった。

 だが、この番組で彼女は自分の事件だけでなく、また性暴力の被害だけでなく、もっと広いテーマを語った。

「痛みを理解するジャーナリスト」という立場での出演だった。

 筆者が驚いたのは彼女のジャーナリストとしての見識とトーク力だった。 

(伊藤詩織さん)

「さっき、水原希子さんの話が出たんですけど、彼女はヘイトスピーチに対して、声を上げたと思うんですけど、日本の芸能界という場でなかなか政治の話をするのは勇気の要ることだと思います。そうやってオピニオン・リーダーとして、自分の思ったことを発言していく。声を上げるというのは本当、水原さん、すばらしかったなと思って、もっとそんないろいろな人が出てくれたらいいなと思って」

(交通事故により高次脳機能障害のTASKEさん=「地元枠」として招待)は不自由な手で名簿を手動のシュレッダーで廃棄するパフォーマンスをやった後でこう発言した。

「木村さんと舩後さんはバリアフリーの風を国会に巻き起こした。これこそ実績というのかな。本当…」

(首相役を演じた戯作者の松崎菊也さん)

「だから、体が不自由な人も動員して、ちゃんと(国会議事堂に)スロープをつけて、バリアフリーにして、というのは非常に画期的なことなんでね。遅いけれども、これはどんどんやるべきだと思いますね」

(崔江以子さん)

「たくさんある課題を解決したりとか、より豊かな社会を作っていくための議論する場である国会。その構成員のバランスの悪さというか、当事者性のなさがもっと、もっとたとえばアイヌとか部落とか女性とか障害のある人とかマイノリティーがもっともっと活躍できる、参画できていったら、より豊かだなあというふうに思います」

 ところどころで政治家を風刺する寸劇が繰り広げられる。

【バリバラ国 滑稽中継】

(ナレーション)

「多様性を尊重する社会を作ることをテーマに集中審議の模様をお伝えます」

バラ党の松崎菊也が副総理に質問する場面だ。

(バラ党 松崎菊也)

「副総理に伺います。昨年、あるお笑い芸人が女性テニス選手の褐色の肌の色を揶揄して『日焼けしすぎ。漂白剤が必要だ』とこのような発言をした。この点について副総理、あなた、どう考えますか?」

(副総理大臣 無愛想太郎 *帽子を被って口のへの字に曲げている)

「バリ党の無愛想太郎です。知っています。この件は。漂白剤よりも漫才をちゃんとやれって言っておけ。くっふっふふ」

(バラ党 松崎菊也)

「だから笑い事じゃないんだよ。

今の、私はちょっとは面白いと思ったけどね」

(副総理大臣 無愛想太郎)

「だろう?だろう?」

(バラ党 松崎菊也)

「ただね。外国ルーツの人は生きづらい社会なんです。間違いなく。こんなのが『美しい国』と言えますか。あなた?

時間がないので次の質問に入ります。

各国で新型コロナウイルスがアジア人差別につながる事例が増えております。

これを副総理としてはどうお考えになりますか?」

(副総理大臣 無愛想太郎)

「質問っていうのは正確を期してほしいね。

ウイルスというのは英語圏じゃ言ねえんだ、ヴァイルス。ヴァイルスって言うの。

Bじゃなくて、Vの発音ね。下唇をしっかり噛んで。ヴァイルス。傍聴席のみなさんもご一緒に。ヴァイルス(唾を飛ばす)」

(バラ党 松崎菊也)

「副総理に対する問責決議案を提出して、質問を終わります」

(ナレーション)

「続いてアブ内閣総理大臣への質問です」

(バラ党書記長 石倉ちょっき)

「みなさんいいですか?

世界中で多様性のある社会を目指しているにもかかわらず、逆行しているという例がここ1年、大変多かった。

総理にうかがいます。トランプ大統領が先のアカデミー賞の結果を受けまして、『今年のオスカーは最悪だ。なんで、韓国映画がベスト映画なんだ?』とディスったわけなんです。あなた、それ、どういうふうに思いますか?」

(内閣総理大臣 アブ ナイゾウ)

「いずれにしましてもトランプ大統領と私は同盟国のトップリーダーでございまして、意見が完全に100%、一致をしたところでございます」

(バラ党書記長 石倉ちょっき)

「100%一致、何回言えば気が済むんだ。委員長、まったく質問に答えていませんこの人は…」

(内閣総理大臣 アブ ナイゾウ)

「そんなあなたいつまでもデンデン(「云々」を読み間違えて)言うことではないのでは?」

(バラ党書記長 石倉ちょっき)

「デンデンじゃない。ウンヌンというんだよ」

■自覚のない差別やヘイトの当事者トークがすぐれていた

 番組はここで2019年度に多様性を後退させてしまった出来事を紹介する。

 実は寸劇や漫才はあくまで箸休めといった扱いで、この番組の中心は様々な出演者たちのトーク。この日は差別やヘイトをめぐるシリアスなトークの質が高いものだった。お笑い芸人や差別された経験のある人など立場が違う人間たちが同じ問題意識を共有し合っていた。

 この番組はところどころに「笑い」の場面を入れることが緩衝材になって、当事者によるシリアスなトークも一方的に自分の立場の話をするうというより、違いに分かり合おうという共感的な姿勢が目立った。

 お笑い芸人が大坂なおみ選手を「日焼けしすぎ」「漂白剤が必要」などとネタにしたことをお笑い芸人の立場でお笑いコンビ「三拍子」の高倉陵が振り返った。

(三拍子・高倉陵)

「差別するとかでなく、何の気もなしにさらっと言ってしまったこと。面白いだろうと思って言ってしまったことなので、我々も漫才中に気づかずに言ってしまっているかもしれないな、と。初めてニュースに出たときに考えさせられました」

(堀合佑一郎さん・精神障害 長い引きこもりを経験)

「体の特徴とかそういったことについては、相手に面と向かって言えないなと思うことは言ってはいけないということを一人ひとりが意識しないといけないと思います」

(崔江以子さん・在日コリアンとしてヘイト被害にあっている)

「『そんなつもりじゃなかった』というのは(差別する側から)いつもそう言われるんですよ。する方はそんなつもりじゃなくっても、受ける側、される方の側の『そんなつもりじゃなかった』という言葉にいつも心を刺される。する方がどんなつもりかじゃなく、受ける側がどういう被害が生じるのかということを想像していくことが大切だと思います」

■ジャーナリストとして本領を発揮した伊藤詩織さん

 伊藤詩織さんが気になったニュースは?と司会者は伊藤さんに話を振った。

(伊藤詩織さん)

「コロナウイルスのせいでアジア人差別につながっているというのは本当にアメリカに住む友人からもすごく聞いていて、トランプ大統領も『China Virus=中国ウイルス』と言っていたんですけど、発信力ある人のこの言葉遣いで広がってしまう偏見差別というのは本当に今気をつけないといけない。そこをどういうふうに止めていけるのかというのが今の本当に課題だと思います」

(崔江以子さん)

「私も伊藤さんと同じでコロナウイルスのことが差別につながっていることがとても胸がいたいです。たとえば、感染拡大防止のために行政機関が子どもたちの集う場所にマスクを配布したんですけど、その際に朝鮮学校が配布の対象から外されてしまった」

この点については番組では崔さんが話している映像に以下の字幕を入れて補足していた。

「さいたま市で幼稚園や保育園にマスク配布する際、朝鮮初中級学校幼稚部を対象から外していた(のちに配布)」

 崔さんは続けた。

(崔江以子さん)

「あるいは横浜中華街の中華料理屋さんにいくつかの店舗に本当にひどい差別的な手紙が届いたりということが生じてしまっています」

 スタジオのゲストには、NHK『あさイチ』のレポーターでアフリカ系米国人の父親と日本人の母親の間に生まれて褐色の肌ながら日本語しか話せないと公言している副島淳さんもいた。アフロヘアの長身で人気が上がっている副島さんもネットなでの差別的な書き込みをされることがあると告白した。

(副島淳さん)

「朝の番組などに出させてもらっていて『なんで朝からこんな黒人を見なきゃいけないんだ』などのコメントも正直あるんです。否定的な意見が目についちゃうというか、ネガティブな方が目に付く僕の性格なので…」

(崔江以子さん)

「きょう弁護士さんに調べてもらったら、検索ウェブサイトで私の名前を検索すると、千数百万件の書き込みがヒットします。『出ていけ!』とか『国に帰れ!』とか、そういうヘイトがほとんどですね。数が多く書かれるからといって、けっして慣れたりすることではないですね。一件一件、本当に怖いですし、しっかり傷つきます」

(伊藤詩織さん)

「あの…今、自分が受けたことを思い返していたんですけれど、どんどん手足が冷たくなって、体が冷たくなる。(崔さんに向かって)今、聞いていただけでも冷たくなってしまったんですけれども、(私も)やっぱり命の危険を感じるような書き込みだったりとか、誹謗中傷を受けた時は、どういうふうに生活を続けていいのか。この人たちが本当に命を狙ってくるんじゃないかと思うと、やっぱり普通に生活ができなくなってしまったし、家族に迷惑をかけてはいけないと思って、家族との距離が出来たし、そういったこともあって、一時期、イギリスに身を移しているんですけど」

(伊藤詩織さん)

「どういうことを考えて、そういった言葉を発しているのか。すごく知りたくて、私、何度か実はいいただいたメールに返したことがあるんですけど」

 このあたりから番組は伊藤詩織さんと崔江以子さんが交互に話すトークの繰り返しになった。

 どちらも「ヘイト」「差別」の当事者として、体験的な話が深い。

 特に伊藤さんは

(司会者)

「それって内容って、どんな感じで返すんですか?」

(伊藤詩織さん)

「返した一つのメールは女性からで『女性として恥ずかしい』と。『あなたの受けた被害が本当であっても女性として、日本人女性としてそれをやるべきじゃない』というメールが来たので、できたらそう思う背景を聞かせてほしい、とメールに書いてことがありました。でもどんなに丁寧に返信をしても、一度も返ってきたことがなくて、だから、できればもうちょっと対話ができる場所がほしいなと思っています」

(崔江以子さん)

「インターネット上のヘイトスピーチが禁止されたりするルールがない中では、個人の力で一つひとつ取り組むしか策がありません。法務局に申告をして、それが人権侵害に当たるかどうかを審査してもらって、『当たる』ということであれば、国が、法務局が運営会社に削除要請のお願いをする、そのかかる時間とその間の二次被害と、本当に個人の力では限界があるなと」

 筆者は、伊藤詩織さんという人が記者会見等で自分の性暴力の被害など以外のことをテレビ番組で話すのを聞くのは初めてのことだった。伊藤さんの話は無駄な部分がなく、根拠がはっきりしている。ジャーナリストとしてしっかりした話ができる人だということがわかった。

(伊藤詩織さん)

「やっぱり、そのヘイトの問題につながるんですけど、これはアメリカでも今までヘイト、メキシコ系の方やLGBTQの方への銃乱射事件があったりだとか、本当にもしかしたら、知らないうちに大きくなってしまっているオンラインのヘイトがそういった大変な事件につながりかねないという考えると、本当にヘイトスピーチについて今一度考えていかないといけないんじゃないかなと思いますね」

 彼女がそう語る映像の下には説明のために以下の字幕が示されていた。

「テキサス・オハイオ銃撃事件(2019)」

29人が死亡 ヒスパニック(中南米系)を狙ったと見られる

「フロリダ・ナイトクラブ銃乱射事件(2016)

49人が死亡 性的マイノリティーを狙ったと見られる

 結論から言うと、『バリバラ』「バリバラ桜を見る会」第一部は、再放送の中止で話題になったものの、政治的なパロディーとしての要素もさほど強いわけではなかった。むしろ、性暴力被害者や在日への差別やヘイトに対する当事者側の苦悩を真正面からトークで伝える硬派な番組だった。そのトークにおいては伊藤詩織さんというジャーナリストの話の仕方の確かさが目を引いた。

 単なる性暴力の被害者というだけでなく、彼女が一人のジャーナリストとしてデビューしたような放送回だった。

 「第一部」では最後まで明かされなかった「大阪城」の秘密。なぜ大阪城が番組に出てきたのだろうか?

 実はその翌週の「第二部」でそれが明かされる。第一部だけでは「内閣総理大臣」や「副総理大臣」が本物の特徴を似せようとした程度で終わったが、パロディーとしての「毒」はまだ吐いていない。毒を吐くのは「第二部」でだ。

 つづきは「第二部」を見ていきながら、政治パロディー番組というものについて考えていきたい。