小池知事が大曲医師と『NEWS23』に生出演 "反転姿勢”で小川彩佳に語ったこと(前編)

小池都知事が大曲医師と出演した3月26日TBS『NEWS23』(筆者が画面撮影)

首都東京のトップとして"動きが遅い”のでは?

 この数日、テレビや新聞で新型コロナをめぐる対応で疑問や批判の対象になってきた小池百合子知事が反転に転じた。

 テレビ番組に生出演し、都知事として新型コロナウィルスに関する対策を改めて説明した。

 番組は3月26日(木)の『NEWS23』。聞き手は小川彩佳キャスター。たっぷりと放送時間を割いて都民が今何をすべきなのかを語った。

小池百合子という政治家は「攻め」に転じたら強みを発揮する

 小池知事が語った中身は詳しくは後述する。今回、筆者が感じたのは小池百合子という政治家が一度こうと決めて行動するときの「攻め」の姿勢の潔さだ。

 首都・東京を預かる自治体トップとして自ら発信するという決意が表れていた。

 元々はテレビキャスターを務めていて、こうしたときの発信力では抜群だ。側近が作成した紙を目で追わないと発言できない安倍首相などと比べてもはるかにパワーを持った人である。

 この数日テレビなどで上がっていた批判的な声をさらりとかわして「ご協力をお願いしたい」と首都圏の住民たちに呼びかけた。

小池知事の横にいたのは大曲貴夫医師

 政治家あるいは都知事としてテレビで発信するのであれば小池知事本人が生出演すれば済む話である。

 ところが小池知事はこの夜、隣に大曲貴夫医師を座らせて東京都の新型コロナ対策への市民の協力を一緒に呼びかけた。

 大曲医師は2日前の小池知事の記者会見にも同席した専門家だ。国立国際医療研究センター・国際感染症センター長で東京都の新型コロナ対策にも助言を行っている。

 知事の会見でコメントした様子について他の番組で専門家である医師が「この人はとても信頼できる人」とコメントしていた。そういう意味ではこのケースでは小池知事が単独で出演する以上に説得力がある人物が一緒にいたといえる。

 では以下、詳しく番組の内容を振り返っていこう。

『NEWS23』で小池知事が生放送で語った言葉(詳報)

  番組の冒頭から小池知事がスタジオに登場したので出演を想定していなかった筆者は驚いた。

(小川彩佳キャスター)

「こんばんは。今夜の『NEWS23』は東京都知事の小池百合子さんとともにお伝えしていきます。どうぞよろしくお願いします」

(小池百合子都知事)

「よろしくお願いします」

(小川)

「昨日、知事は緊急会見を開きまして『感染爆発の重大局面』と厳しい言葉を掲げられました。

改めて現在の認識をお伝えいただけますか?」

 この後で知事の語りが始まる。

(小池)

「まさしく感染爆発。それを防ぐためのとても重大な局面に接していると思います。

この意識を都民のみなさんと共有していきたいと考えています」

 番組は主に3つのテーマについて考えていった。

(1)"都市封鎖”の可能性は?

(2)”医療崩壊”は起きないか?

(3)”自粛”はいつまで?

 

新たに47人の感染者判明(うち23人が感染経路不明)で1日あたり過去最多の記録更新

 この日、東京で新たに判明した感染者の数は47人で、連日続いていた最多感染者の記録を更新した。番組ではVTRで他の近隣自治体のトップらの会見やスーパーマーケットで始まった市民の買いだめ、海外の動きなどを伝えた後で小池知事にスタジオでコメントを求めた。

(小川彩佳キャスター)

「知事はさきほど安倍総理とも会談の時間を持たれましたけれどもどんな話があったのでしょうか?『緊急事態宣言』の話も出たのでしょうか?」

(小池知事)

「今日は東京都として現状を分析した上でやはり国の支援がどうしても必要だということからいくつかのお願いに参りました。

たとえば今日も(新たに判明した)47人の感染者のうち5、6名は海外から戻ってこられた方々なんです。

そういうことから水際、空港での検疫、ここは国の領域になりますから、ここをより厳格にお願いしたいということなどをお願いに参りました。今日、政府で法律に基づいた対策本部が出来ましたので、そこで専門家の方々が諮問会議の方にお入りになるのでしょうか」

 小池知事はそこで横に座った大曲医師をちらりと見た。

(小池知事)

「そういう医学的な分析などと加えて今後どうあるべきなのか、都が今直面しているような課題、国にやはり協力していただかないと、なかなか『自粛のお願い』だけではやっていけない、ということからこれからも新型コロナ対策特措法の運用について検討していただきたいということでお願いに参りました」

(小川キャスター)

「『自粛のお願い』だけではというのは何か強制力のあるものがその先に出せないということですか?」

(小池知事)

「特措法といっても、さきほどみなさんご覧になっていたVTRにあったパリとかインドも(強制的な対策を)始めましたよね。

あのような強力な形は(日本では)そもそもメニューにも入っていないんですね。

交通も止められるわけでもないのですが、

しかしながら、国が乗り出して来ると、東京(都がやるよりも)さらに力を持ってくることを期待しています」

(小川キャスター)

「その行方を左右することになるのがこちらの東京都の感染者数の推移です(グラフを示して)。

今日も新たに47人の感染が確認されたと。

このうち経路不明が23人ということです。改めてこの数字の受け止めをどのように考えますか?」

(小池知事)

「(3月23日以降の)この4日間、感染者が16人、17人、41人、47人と増えてきているということについては

さらに感染経路がわからない人が増えていることには私自身、非常に不安を覚えますし、不安イコール危機ですので、

その危機感はみなさんと共有できてこそ感染の防止につながるということで昨日も記者会見をさせていただいたということです」

(小川キャスター)

「このグラフを見ますと、オーバーシュートというか感染爆発の前夜なんじゃないかというふうにも感じてしまうのですが、

大曲先生、いかがですか?」

(国立国際医療研究センター・大曲貴夫医師)

「実際に報告数は増えていますし、実際に病院の現場に行きますとたとえば、3月22日、23日頃までの様子と、

特に週が明けてからの様子が本当に違っています。

重症の方が増えましたし、ベッドはどんどん埋まってきている状況。

僕らずっと1月から見てきていますけれども、

明らかに状況が変わったなということは間違いなく感じています」

「明らかに状況が変わった」

 大曲医師のこの言葉の持つ意味は重大だ。

 この続きは「中編」「後編」でお伝えしたい。