「埼玉県知事はK-1に自粛要請したのに都知事はプロレスで何もせず」と批判された小池知事の対応の遅れ

小池知事の対応の遅れを指摘する「モーニングショー」出演者ら(筆者が画像を撮影)

東京都は大丈夫なのか?

 テレビでもこの疑念が出始めた。

 新型コロナの問題はここに来て矛先が東京都知事に向かい始めている。

 3月25日(水)のテレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』は前日に新型コロナウィルスで新たに17人の感染者が出たことを伝えた。

東京都で17人感染確認(1日あたりの感染者数)→過去最多

 前々日が16人で過去最多だったが2日連続で過去最多を更新した。これで東京都は合計の感染者が172人と北海道の163人を上回って全国最多となった。

 政治ジャーナリストの田崎史郎氏は同番組で以下のように語った。

(田崎史郎)

「政府および専門家会議が一番懸念しているのが、東京都なんですよ。

北海道、大阪、あるいはその前に和歌山がありましたけど、

それぞれ知事が全面に立って対策を打ち出してきた。

東京都の場合、ようやく一昨日ですか、小池都知事がああいうこと(=東京封鎖の可能性)を言われたんですけど、

『大丈夫かな、東京都は?』という目で心配しながら見ている状況です」

 番組では3月19日~24日の感染者の推移を示した。

3月19日  7人

3月20日 20人

3月21日  7人

3月22日  2人

3月23日 16人

3月24日 17人

3月19日~24日で東京都の感染者判明が60人

番組はこれを厚生労働省が出した推計と比較した。

 今の対策のままでは都内の感染者数の推移は、以下の数字になるという推計だった。

3月19日~25日   51人

3月26日~4月1日 159人

4月2日~8日    320人  

3月24日までですでに実数が60人と厚労省推計を上回っていることを番組は指摘した。

(羽鳥慎一キャスター)

「東京は前々から一番危ないと言われてましたが、ようやく数字となって現れてきた」

 そのように羽鳥キャスターに促されて、ビジネスインサイダージャパンの浜田敬子編集長が語った内容に筆者は衝撃を受けた。

(浜田敬子)

「先日、埼玉でK-1のイベントが開かれたときに(大野)埼玉県知事が自粛要請にわざわざ現地にまで行きましたよね。

その後、私調べたら、東京では昨日もプロセスのイベントが行われていて、取材をしたんですけども、

(プロレスの主催者側は)『自治体からは特に自粛の要請が来ていないから、一応、気をつけて開きました』とコメント。

さきほど田崎さんがおっしゃったように、

東京都は特にトップ(都知事)が他の大都市と比べて、メッセージを出すのがかなり遅かったなという印象がある。

また実際にイベントについても細かく目を光らせて自粛の要請なんかしていないわけです。

その間にどんどんどんどん中規模や大規模のイベントが開かれているという実態が実はあると思います」

 こうした状況を聞いて羽鳥慎一キャスターが田崎史郎氏に「トップの動きが遅かったというのはどういうことなのか?」と尋ねた。

(田崎史郎)

「僕はね、やはり東京オリンピックの問題が・・・、昨日ようやくメドが立ちましたけど。

それともう一つ、小池さん(都知事)にとって、東京都の予算をどうやって成立させるか、ようやく自民党と話し合いがついて、今週金曜日に成立する見通しになったんですけど。

それは7月の都知事選で小池さんが自民党の支持を得られるかというのと裏表の関係だったんですね。

小池さんは東京オリンピックのことと自分の再選問題に気を取られていたんじゃないかという感じを僕は持っています」

 羽鳥キャスターから「それで動きが遅かった?」と尋ねられて、田崎氏は「そうです」と明言していた。

感染爆発の事態をいかに防ぐか?

 それが日本という国の今後の趨勢を握っていて最重要課題だと言える現在の状況で、自分の再選問題や五輪に「気を取られて」いて対応が遅れ気味なのだとすれば、首都東京のトップとして望ましいことではない。対応できないで感染者が増えてしまうことになればトップの責任が問われることになる。

 この問題については他の情報番組やニュース番組でもほとんど触れていなかったが、この問題はとても重要だし、他の番組でももっと報道すべき問題ではないだろうか。

 そう考えて夕方のニュース番組を見たら、事態はもっと悪い方向に進んでいることがわかった。

   

東京都で新たに40人以上感染確認=過去最多記録を更新(3月25日)

東京都の関係者によりますと新たに40人以上が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたということです。都が1日に発表する感染者の数としては最も多く、小池知事は午後8時から記者会見を開いて感染拡大の防止を強く呼びかけることにしています。

東京都では、新型コロナウイルスに感染する人が相次いでいますが、都の関係者によりますと、25日は新たに40人以上の感染が確認されたということです。

都が、1日に発表する感染者の数としては、これまでで最も多くなりますが、このうち10人程度は、24日、看護師と患者の感染が確認された台東区にある永寿総合病院の関係者だということです。

出典:NHK NEWS WEB(3月25日)

  「40人以上」とされた数字は、この日の夜の小池知事による記者会見で「41人」と詳細が伝えられた。

「感染爆発の重大局面」「オーバーシュートの始まりの可能性」(3月25日夜・小池知事の記者会見)

 小池知事は記者会見でこれまでにない危機意識を表明した。

 週末の外出などの自粛を呼びかけたのだ。

「もっと早く動き出すだったのでは?」

 今後、感染爆発のような事態になった場合には「責任」を問う声が広がっていく可能性もある。

 首相の対応はもちろんだが、東京都知事など自治体トップの対応がタイミングを逃さず、万全なものになっているのか。

 ふだんさほど気にしないことが多いとしても、住民の命や健康状態にかかわってくるとなるとトップの一つひとつの働きは私たちが細かく知っておくべき事柄だ。 

 「K-1」と「プロレス」のイベントは細かいことのように見えるが、こうした細かい点こそトップの本気度がわかる問題だ。 

 報道各社にはきちんと注視して伝えてもらいたい。