新型コロナで浮き彫りになった“テレワーク格差”のリアル 

“テレワーク格差”を伝えるテレ朝「モーニングショー」(28日・筆者が画面撮影) 

 新型コロナウィルス拡大で様々な場所で進む「感染防止対策」。

 しかし、それが進むにつれて、正規雇用と非正規雇用の格差や差別の実態が浮かび上がっている。

 こうした問題を伝えることもメディアの大事な役割だが、放送時間に制限があるテレビでこの問題を伝える番組も出始めていることは注目していい。

テレワーク格差

 テレビ朝日「モーニングショー」が2月28日(金)に伝えたのは「テレワーク格差」。以下のような内容だった。

(ナレーション)

「ここは一人でも加入できる労働組合(字幕「労働組合 ジャパンユニオン」)。企業が新型コロナ対策に乗り出す一方で、職場には多くの問題が起きているという。」

(ジャパンユニオン菅野存執行委員長の話)

「『会社から強制的に休まされる』あるいは『休まされた』にもかかわらず、休まされた期間の給料は払われない。時給労働者であったり、『でづら』の賃金体系ですと、休んだ分だけ給料が出ないとなれば本当にストレートに生活に直結する問題だと思います。」

(IT企業に勤めるA子さん・40代の話)

「納得できないですね。納得できないと思いました」

(ナレーション)

「都内のIT企業で働く派遣社員のAさんは憤りを感じている。職場では社員に対して感染を防ぐためテレワークが推奨されているという。しかし・・・」

(A子さん)

「派遣社員の人たちは(担当者に)呼ばれて

『派遣会社の人たちはテレワークなしで時差出勤を推奨する』

と言われました。」

(ナレーション)

「『テレワーク格差』。Aさんの会社では正社員にはテレワークを実施する一方で、派遣社員には出社が求められているという。」

(A子さん)

「(正社員は)100人くらいいますね。そのうち50人くらいはテレワークやっていると思います。」

(ディレクター)

「じゃあ、二つに一つは空席?」

(A子さん)

「そうですね。空席ですね。」

(ナレーション)

「正社員の半数がテレワークを行う中、派遣社員ばかりが働く異質なフロア。(派遣社員は)自宅で仕事をする正社員からメールで指示をされ、社内で派遣社員が働くケースも多いという。」

(A子さん)

「(出社するために)私も満員電車に結局乗らざるをえないので、そこで(新型コロナウィルスに)かかるんじゃないかと思ったりします。時差出勤といっても限度があって、やっぱり正社員(優先)。正社員と派遣社員でたとえばお給料とかそういうものでも格差があったとしても、健康面での格差というのはあってはならないと思っています。」

(ナレーション)

「疑問を感じたAさんは派遣会社に問い合わせたという。しかし・・・」

(A子さん)

「『契約書の問題』だと、『テレワークをする条項を組んだ契約書がない』ことを言っている。」

(ナレーション)

「『契約書にないからテレワークはできない』と言われたという。」

(A子さん)

「なんで派遣社員は(テレワークを)できないんだと(思った)。今回の場合というのは緊急事態だと思うんです。国もテレワークを推進しているみたいなところありますよ。ですから、やはり『会社』と言っているけど、その中に含めるのは『正社員』だけじゃなくて、派遣会社(から送り込まれる)『派遣社員』とか『契約社員』とかそういった全部を見てほしいと思う。」

 テレ朝「モーニングショー」がVTRで伝えた“テレワーク格差”の実態。

 A子さんの言う通りであれば、実は法令違反の疑いが濃厚なケースといえる。

 国は「同一労働・同一置賃金」に向けて様々な職場での格差・差別の撤廃に取り組んでいる。

 「パートタイム・有期雇用労働法」という法律が改正される2020年4月1日に合わせて厚生労働省が定める

「同一労働同一賃金ガイドライン」で「不合理な待遇の禁止」

と明記されているからだ。

 A子さんが働くIT企業は4月以降はガイドライン違反とされる可能性が高い。

 テレビも新聞もこうした労働問題に細かく目を向けているとはまだ言えないが、「コロナウィルス感染防止のため」という大号令の中で、格差や差別が生じていないのかにはよくよく注意していく必要がある。