自民党は憲法9条改正に「中立」!?ヤフーニュースでの公約比較を疑問視する声をたくさん聞いた

ヤフーニュースが「参院選2019」で掲示した各政党の公約比較(筆者がスクショ)

 冒頭の画像をよく読んでみてほしい。

「ヤフーニュースが自民党と維新を憲法9条改正で”中立”と伝えている。こんなのは誘導では?」

「自民党や維新を応援するための一種のステルス広報では?」

「GAFAと同じでプラットフォームの責任を問う動きが国際的に強まっているが、ヤフーニュースの客観性や公平性が問われるのでは?」

 今回の参院選をめぐって、筆者のところにもこうした声が寄せられている。メディア関係者や研究者からだ。

 ヤフーニュースが「参議院選挙2019」で掲載した特設ページ。そこには各政党の政策をひと目で比較できるようになっている。

公約比較

出典:ヤフーニュースの「参議院選挙2019」特設ページ

 ここで「政党公約比較」で、自由民主党を見ていると「Question1」で「憲法9条改正」に関連して「中立」となっている。

中立

出典:ヤフーニュースが「参議院選挙2019」で掲示した各政党の公約比較

 自民党は安倍総裁も率先して「9条改正」に積極的ではなかっただろうか? 自分の記憶の間違いだったかと思って、自民党のマニフェストのリンクに飛んでみると、公約には以下のように書いてある。

憲法改正を目指す。改正条文として、自衛隊の明記、緊急事態対応、合区解消・地方公共団体、教育充実の4項目を提示。

出典:ヤフーニュースでの自民党公約

とある。

 自民党のホーページでも大きく掲げられている。

参議院選挙2019での自民党の「政策パンフレット」
参議院選挙2019での自民党の「政策パンフレット」

 

 憲法改正で「自衛隊を明記」ということは「憲法9条」改正のはず。

 

 それがヤフーの公約比較で「中立」ということは、改正に賛成でも反対でもないということだ。これがどうして「中立」だと言えるのだろうか?

 同じように「中立」と書いてある日本維新の会の公約を見てみると、以下のように書いてある。

時代にそぐわない部分も生じてきているので、必要であれば改正すべき。改正案として、「教育無償化」「統治機構改革」「憲法裁判所設置」の3項目を提案。

出典:ヤフーニュース・日本維新の会の公約

 確かにこの書き方であれば、「憲法9条」に限定すれば改正に積極的なのか消極的なのかはにわかにはわからない。

 ちなみに今回のテレビや新聞の報道で、大半のメディアが「改憲勢力」に入れているのが、「自民党」「公明党」「維新の会」の3つだ。

 自民と公明は、政権与党だ。ちなみに公明の公約はヤフーニュースの公約比較でどうなっているのかというと、

選択なし

出典:ヤフーニュースの「参議院選挙2019」公約比較

となっている。

 「選択なし」というのは、これらの公約に対して各党の本部にアンケート調査などを実施して、先方が回答したものをここで掲載したということで公明党は回答で選択肢の中にどれも選択しなかったのだろう。

 今回のヤフーニュースの「参議院選挙2019」の特集ページには、「早稻田大学マニフェスト研究所」と「選挙ドットコム」の名前があるので、この両者が協力しているのかもしれない。

 ちなみに「選挙ドットコム」の「参院選」の公約比較では、自民党も維新の会も

憲法改正

出典:#参院選2019 の全政党公約を一覧で比較!政策・マニフェストから投票先を選ぼう|第25回参議院選挙 政党公約比較表

について「〇」になっている。公明は「△」だ。

 このあたりは一般の人たちが考えている常識的な理解に近いだろう。

 今回の参院選でも、ネットやSNSの影響は従来とは比べものにならないほど大きなものだったと思われる。

 ヤフーニュースには、日本最大のニュースのポータルサイトとして、デリケートな政治情報こそ、様々な情報を検討した上で多くの人にとって納得感がある丁寧な解説を今後は望みたいと思う。ネットニュースの報道が「投票行動」につながる傾向はますます強まっていくのだから。