太田光が「お前(引きこもり)の経験、貴重だぞっ!」とメッセージ

TBS『サンデージャポン』(6月9日)で引きこもりを語る太田光(画面を筆者撮影)

 TBS『サンデージャポン』(6月9日)は、先週に引き続いて冒頭部分で「中高年の引きこもり」の問題について時間を割いた。

 川崎市で起きた無差別殺傷事件、その4日後に起きた元農林水産事務次官(76)による無職の長男(44)殺害事件と、相次いだ事件の背景にある“長期化する引きこもり”について、専門的な機関も取材して真面目に議論を展開した。

  

1週間前の同番組で「引きこもり気味だった」経験を踏まえた発言が注目された爆笑問題・太田光は再び生放送で熱く語った。

 VTRで引きこもりの人が家族にいる親たちの相談に応じている(株)トキワ精神保健事務所の押川剛所長インタビューで「超長期の引きこもりが日本社会で深刻化している」などのコーナーを受けて、以下、スタジオのトーク。

(田中裕二)

「太田さんはどうですか? 中高年の引きこもり・・・」

(太田光)

「引きこもりっていうのと一緒にするのはなんですけど、さっき押川さんが言っていたように超長期で何十年にもわたって、人とコミュニケーションできないという状態にあるのと、数年というのとはまたそれぞれ違うケースで、押川さんが言っているのは、たぶん超長期という、そうすると・・・」

(テリー伊藤)

「レア・ケースということ・・・」

(太田光)

「そうですよね。そうすると(年齢は)50ぐらいになる。

たとえば、俺なんかはやっぱり若い頃、3年間ぐらい、人と、誰ともしゃべれない状態があったけど・・・」

 先週、テレビの生放送というこの番組でカメラを見据えて「引きこもり」について語った太田光。自分自身の体験にも触れたことで相次ぐ事件の背景にある「引きこもり」を、自分自身の問題として捉えていることが強く伝わってきた。

 きょうの太田は、現在、引きこもりの状態にある人たちや周囲の人たちに対して、「引きこもり」の経験を生かしてテレビ等で活躍する人間もいるのだと「現状をポジティブに捉えること」を促すような発言を行った。

TBS『サンデージャポン』(6月9日)で引きこもりを語る太田光(画面を筆者撮影)
TBS『サンデージャポン』(6月9日)で引きこもりを語る太田光(画面を筆者撮影)

 その際に太田が使ったのが、自身の性格を半ば自虐的に表現したこの言葉である。

「おっちょこちょい」

 この表現は、「引きこもり」の境遇にある人や家族らへの”やさしさ”のように感じられる表現だった。

(太田光)

「(俺は)おっちょこちょいなところあるから・・・。

こういうテレビに出ている人ってみんなそうだけど、

『あっ、これ、ネタになるかな・・・?』

『この経験って、実はいつか人前に出られるようになったら話せるな』

とか、そういうことを思えればいいんだけど」

「引きこもり」の経験も「ネタ」になる

 太田光らしい激励の仕方である。

(太田光)

「50になって何十年もそういう状態のときに本人がそれを・・・。

本当は俺なんかから見たら、それ、すごい貴重な体験で、すごい重要な過ごし方に・・・・。

ちょっと見方を変えれば、(そう)なると思うんだけど、

本人がそれを思えるかどうかっていうのが、

まわりが『お前の経験、貴重だぞっ!』っていう、そういうことを言えるといいんだけど」

 この後でテリー伊藤が口を挟み、家にカラオケを入れると良い、『大都会』のように高音の歌を歌うと良いなどと発言して話の方向がぐじゃぐじゃになってしまった。とはいえ、太田のこの発言は現在、「引きこもり」の状態にいる人たちやその周囲にいる家族らに対して、「引きこもり」も無価値なわけじゃないという、激励のメッセージになっていた。

 個人的なことになるが、太田の発言を聞いて筆者にもかつて「やや引きこもり気味」だった時期が存在したことを思い出した。

 その時期、確かに何も生産していなかったし、何も所得を得てはいなかったし、挫折感にまみれて親に「パラサイト」(寄生)していた時期だった。だが、その長いモラトリアム期間に一人もんもんとして、人生のことなどを考えていたことが無駄だったのかといえば、そうとはいえない。社会とかかわらない時間の「怖さ」が痛切に身にしみた時期だった。

 おそらく、太田はそのようなことを本気で言いたかったのではないのか。人生には無駄な時間などないのだと。

 

 来週、太田はまたどんなメッセージを送ってくれるだろうか。

TBS『サンデージャポン』(6月9日)で引きこもりを語る太田光(画面を筆者撮影)
TBS『サンデージャポン』(6月9日)で引きこもりを語る太田光(画面を筆者撮影)