「女性天皇・女系天皇」をテレビはどう報じたのか【テレビ東京】

5月1日のテレビ東京「報道スペシャル “令和”幕開け! 7つの疑問を徹底解説」 

 2019年5月1日、「令和」の元号になって最初のニュース番組などの放送。

 以下は各テレビ局が天皇陛下の即位をめぐる5月1日の報道特別番組またはニュース番組の中で、現在の「皇位継承順位」について図解で示したかで区分してみた。図解していた局には〇。そうした図解をまったく放送していなかった局には×をつけた。

 視聴者の方々は、今後、こういう点も参考にしてそれぞれの局のニュース番組を見ていけばいいと思う。この〇×にはそれぞれの局の「姿勢」が反映されているからである。

NHK 〇

日本テレビ ×

テレビ朝日 〇

TBS. 〇

テレビ東京 〇

フジテレビ ×

 この日は朝から夕方まで、各局はほとんどの時間で「令和」という新たな時代に伝え、生中継を中心に新しい「天皇陛下」または「皇后陛下」など皇室の人たちの表情を映像で見せていた。

 しかしながら、日本テレビとフジテレビの2局は、そうした節目の放送であるにもかかわらず、皇位継承順位が新天皇の即位によってどうなっているのか?という、どの新聞にも書いてあるような情報を「あえて」伝えなかった。「あえて」と書いたのは、ニュース番組であまりに基本的な情報で通常なら伝えるべきことなので、それを伝えないとしたらあまり伝えたくはないとか、意図的な要因で伝えないなど、何らかの意図や忖度があるはずだからである。それが何なのかはここでは詮索はしないが、どちらのテレビ局も国民に公正な立場で情報を伝える役割を負っているはずの報道機関としては褒められるものではない。

 この日、テレビの生中継で「剣璽等承継の儀」 に女性の皇族の姿がなかったことに違和感を覚えた人も少なくなかったはずだ。男女平等の観念が世界中に広がっている今日、NYタイムズの記事にあるように他の国から見ても理解することがかなり難しい習慣なのだ。

この儀式について、4月29日付けのNYタイムズ紙が、「妻(新皇后の雅子さまのこと)は新天皇の即位を見ることが許されない」というタイトルで一石を投じた。

出典:ヤフーニュース個人 飯塚真紀子「世界も見守る新天皇陛下“即位の礼” 『新皇后雅子様のご参列は許されず』米紙が一石を投じる」

 朝から夜まで「令和」「天皇陛下」でフィーバーした各テレビ局。「あえて」なのか「わざと」なのか、即位にともなう「皇位継承順位」を伝えなかった2つのテレビ民放局。両局の報道局の記者たちが日頃、記者やカメラスタッフ、機材の多さでは圧倒しているテレビ東京はどう伝えたのだろうか。

 テレビ東京は、5月1日午前10時15分から正午までの間で「報道スペシャル ”令和”幕開け! 7つの疑問を徹底解説」という報道特別番組を放送した。

 この日の即位のための儀式などについてクイズ形式で「7つの疑問」として、それを説明しながら進行していく番組だった。

【7つの疑問】

・””三種の神器”なぜ2つだけ登場

・オックスフォード留学 マル秘エピソード 

・新天皇陛下 意外な愛読書とは?

・最初の「おことば」 その意味は?

・上皇、上皇后の役割は?

・皇位継承の順位は?

・今後の注目イベントは?

 番組が提示した「7つの疑問」の中に「皇位継承の順位は?」というものが登場する。

5月1日のテレビ東京「報道スペシャル “令和”幕開け! 7つの疑問を徹底解説」 
5月1日のテレビ東京「報道スペシャル “令和”幕開け! 7つの疑問を徹底解説」 

 テレビ東京の番組に言われるまでもなく、「この後の天皇はどういう順番になるのか?」は国民全体の関心事だといえる。

5月1日 テレビ東京「報道スペシャル ”令和”幕開け!7つの疑問を徹底解説」で皇位継承順位を図解するアナウンサー
5月1日 テレビ東京「報道スペシャル ”令和”幕開け!7つの疑問を徹底解説」で皇位継承順位を図解するアナウンサー

 スタジオのゲストとして、皇室研究者の高森明勅さんが登場し、以下のようなやりとりを司会者である池谷亨アナウンサーと水原恵理アナウンサーとの間で行った。

(高森)

「これを見ていただくと、(秋篠宮さまが)皇嗣ということは第1位でして、そこからご長男の悠仁殿下がいく、これが第2位。それ第3位が上皇の弟宮さまでいらっしゃる常陸宮さまと。ということで皇位継承資格を今お持ちの方はわずかお三方だけ。これはきわめて少ないですし、新しい天皇陛下の世代、皇嗣殿下の世代、と移っていくわけですが、もう次の世代は悠仁殿下、お一人しかいらっしゃらない。」

(池谷)

「このタイミングで女性天皇という議論は始まるのでしょうか?」

(高森)

「というか、始まる、という約束なんです。特例法が国会で成立したときに付帯決議というのがあって、特例法施行後、すみやかに皇位の安定的な継承の検討を始めなければいけないと。」

(水原)

「ということは女性宮家についての議論もこれから始まっていく?」

(高森)

「付帯決議には『女性宮家』という言葉がそのまま入っていますので・・・」

(池谷)

「それは我々国民としてもどうしていくべきかというと、やはり意識しなければならない?」

(高森)

「そうですね。やはり『国民の総意に基づく』とされている立場ですから、国民がどのような未来の皇室を望むのか、大切なことだと思います。」

 テレビ東京は、この半日ほど前に放送した「池上彰の改元ライブ 平成令和バスツアー」でもジャーナリストの池上彰がこの問題を解説していた。池上の解説はかなり踏み込んだものだった。

「安定した天皇制を維持するためにには将来には女性天皇が必要かどうかを議論していかなければならない。もし、女性天皇ということになるなら、愛子さま、眞子さま、佳子さまも皇位継承者になりうる」

 皇位継承順位について図解で伝えているかどうか。あまり積極的にこの問題に触れたくない局がもしあった場合、この順位に触れてしまうと比較的若い皇位継承者が悠仁さまたった一人であるという現状を説明しなければならなくなる。そうなれば必然的に「女性天皇」「女系天皇」をめぐる議論にも言及せざるをえないため、苦しい説明になってしまうのを避けようとあえて「説明しない」という選択をしているのかもしれない。だが、報道機関がそうやって伝えるべきことを伝えないなら、適切な判断ができずに被害を被ってしまうのは主権者である国民なのだということは肝に銘じてほしい。

 天皇陛下の即位の日のテレビ報道については他局の様子もお伝えしたい。