報道現場への執着がみえた安藤優子 出演者たちの卒業コメント(5)

安藤優子は3月27日(金)、最後となった『スーパーニュース』の放送を終えた。

この日の同番組は『スーパーニュース最終SP』と名付けられた。

安藤優子の「卒業」と同時に、長く続いた番組も終了する。

思えば、そんな人は最近では久米宏だけだろう。

それだけでも安藤優子の偉大さがわかる。

ニュース番組のキャスターは1987年からだから、キャスターとして長く続いてきた、というだけでもたいへんな長期間だ。

で、最後の『スーパーニュース』は、翌週から安藤が同じフジテレビの午後の情報番組『直撃LIVE グッディ!』のキャスターに転身するため、やや身内で盛り上がる感じの強いものになった。一言でいえば、安藤キャスターがあの戦争もあの災害も、あの重要人物も取材したという振り返り番組。

振り返りながら、安藤がジャーナリストらしい見識の一端を披露するわけでもなかった。

どちらかというと、『直撃LIVE グッディ!』の宣伝番組みたいな印象が強かった。

安藤が取材したフィリピンのマルコス大統領のイメルダ夫人や保険金殺人事件の容疑者、和歌山の毒入りカレー事件の林真須美被告、ロシアでの政変、アメリカのクリントン大統領、安藤美姫。浅田真央、ルワンダ大虐殺など、彼女が取材した大物の政治家や事件のキーパーソン、事件や災害など数々の映像が出てきた。

番組では、メールやLINE、ツィッターなどで寄せられた安藤へのメッセージが読み上げられた後で安藤自身が「視聴者のみなさんへのメッセージ」を語った。

全国のみなさん、これまで27年間、ニュースをお伝えしてきました。

まったく私ごとですが、私の母はよく、世間があんたを育ててくれた、と私に言っておりました。

まさに、このニュースを伝えるということを通じて、私が育てていただいたというふうに思っています。

育ててくださったのは、視聴者のみなさんでした。

そして、現場の数々でした。

あらためて、本当にありがとうございました。

(中略)

(今後の番組について)

これまでと同様、一つ一つの事象に向き合っていきたいと思っています。

「現場の数々」に育ててもらったという言葉。

そして「これまで同様、一つ一つの事象に向き合う」という言葉に、安藤優子の報道への強い執着が見てとれた。

これまで同様に、大きな出来事、たとえば、大きな震災などの際には自ら現場に赴くという決意表明であろう。

『直撃LIVE グッディ!』は情報番組で、日テレ系の『情報ライブ ミヤネ屋』に対抗するためにフジが始める番組だ。

芸能ネタでも生活ネタでも一般の人たちが関心をもつ題材ならば、何でもやるぞという番組だが、いざとなると報道ネタにもつっこんでいくという安藤の気概がみてとれる。

今のところ、ミヤネ屋が独走する午後の時間帯に、いざとなると報道ネタもやるという番組をジャーナリストとして鳴らした安藤が仕切るならば、ニュース番組がぱっとしないテレビ報道が活性化するかもしれない。

この後、安藤は、『スーパーニュース』の後継番組の『みんなのニュース』のメインキャスターを務める伊藤利尋アナウンサーとハイタッチして「がんばれよ!」と先輩の貫禄を示した。

ところで『スーパーニュース』で去年秋から始めた津田大介らによるネットから見たニュース解説のコーナーは一体どうなるのだろう?

特に津田大介のコーナーは従来型のテレビ報道の枠を超えて、面白く見ていたのだが、TBSが『あさチャン』から明治大の齋藤孝教授を「卒業」させたように、やっぱり「卒業」になっちゃったのだろうか? 

たった半年しか経っていないのに。

そう書いたら、杞憂だったようで、すでに続投が発表されているとフジテレビ関係者から連絡があった。

せっかくの新しい試みは中途半端に終わることなく、続けてほしい。