お盆連休の旅行は、どうぞご安全に - 旅先での健康管理、私の方法

楽しく非日常を過ごし、無事に帰るためには、まずは健康リスクにご注意を。(写真:アフロ)

本日からお盆連休に入り、国内遠隔地や国外へ旅行される方も多いことでしょう。

年間60~90日は取材などの出張で国内外に出かけている私が実行している、旅先での健康管理をまとめてみました。

海外に行くのなら、必ず旅行保険を

もう出国してしまっている方にはお役に立ちませんが、旅行保険には必ず加入しておきましょう。

空港にいて、まだ出国手続きをしていないのなら、間に合います。たいてい、両替カウンターと旅行保険カウンターが並んでいるはずです。また、出国前ならスマホやタブレットを使ってネットで加入することも可能です。

比べて選ぶ時間があるのなら、

  1. 日本語で対応してもらえる24時間対応の電話窓口がある
  2. 現地で医療費を立て替え払いする必要がない(医療機関から保険会社に直接請求できる)、あるいはそういう対応をお願いできる医療機関が滞在先にある
  3. 医療費・救援費用の上限なし

の3点がポイントです。以上の条件を満たす旅行保険は、米国内・2週間で10000円前後です。日本のたいていのクレジットカードには、旅行保険が付帯していますが、内容は「まあ、ないよりはマシ」であることが多いので、別途加入することを強くお勧めします。

また「自分が倒れて意識不明、周囲に日本語を解する人がいない」という場面に備えて、そういう時に誰かがすぐに取り出せる場所に保険の契約書のコピーを入れておくと安心です。自分の体調不良に自分が対応できる場面でも、保険の契約書について考えたり探したりしなくて済むことは安心材料です。

保険会社への提案:携帯できるカードやスマホの待ち受け画面に契約内容を

海外旅行保険のヘビーユーザー(支払いを請求したことはありませんが)として、一つ提案したいことがあります。

携帯できるカードおよびスマホの待ち受け画面に、自分の加入している旅行保険の内容・契約内容の概略・日本語電話対応窓口が表示されていたら、どんなに安心できるでしょうか。

多くの方は、海外で急病になって旅行保険を使った経験はありません。「いざとなったら、これ」が、日常的に手にしている何かに表示されていたら、大きな安心材料になるはずです。ぜひご検討を。

保険は「使わずに済んだ」こそ最良のなりゆき

とはいえ旅行保険は、「結局、今回も掛け捨てになった」が最良のなりゆき。

これは、日本国内の旅行で国民健康保険などの公的保険を使う場合も同様です。現在の日本では、ありとあらゆる場所で医療資源が不足しています。リゾート地や山の中ではなおさらです。

医療のお世話になる可能性は最小にするよう心がけましょう。言い換えれば、「なるべく、まあまあの健康を維持する」ということです。

旅先の健康管理、私の方法

以下は、私が励行していることがら、および畏友の病理医・榎木英介さんからのアドバイスです。

血圧計と体温計を携行

いずれも先進国なら現地調達できますが、「華氏表示を摂氏に読み替える」といった手間は省きたいものです。

体温に加えて血圧と脈拍数がわかれば、ちょっとした体調不良の背景に素人ながら当たりをつけやすくなります。また、保険会社の電話対応窓口や、日本国内の「救急車を呼ぶ前にこちらに相談を」といった電話対応窓口に、より多くの情報を差し上げられることになります。

熱中症と脱水は、尿量と汗に注意

夏の北半球や赤道付近では、まずは熱中症に要注意です。さらに、どのような気候と地域でも脱水に注意。脱水は「雪の中でお腹を壊して下痢った」という場面でも起こります。

榎木英介さんからは、「尿量と汗の量に注意」というチェックポイントの指摘がありました。

尿量はいちいち計測しなくても、朝、起きて最初にトイレに行くときの「じょぼぼぼぼぼ」という音の強さと長さで、「ん? いつもより少ないぞ?」ということは分かるはず。

水分が不足すると、汗も出なくなります。特に砂漠気候では、汗が出ていないのか、あるいは出てもすぐ乾いているのか、体感では分からないことがあります。

私は喘息持ちで、「軽度脱水ですぐ喘鳴が出そうになる」という便利なバロメータがあるので、そうなったらすぐ何をおいても水分補給に励みます。熱中症で体温が上がっている可能性がある場合には、バスタブやシャワーで「水冷」します。

榎木さんによれば、「手の甲の皮膚をつねって離し、皮膚が元に戻るスピードを見る」という脱水判定方法もあるそうです。53歳の私の手の甲は、かなりしわしわですが、今試してみたところ、一瞬(たぶん0.3秒くらい)で元に戻りました。健康なときの戻り方を観察しておく、できれば動画を撮っておくと役に立つかもしれません。

脱水した場合の水分補給

脱水した場合には水分補給が必要です。

ただの水ではなく、経口補水液であることが、より望ましいです。

「経口補水液」でネット検索すると、情報はたくさん出てきます。

飲める水と塩と砂糖があれば、自分で作れます。標準的なレシピは「水1リットル・塩3g・砂糖40g」です。

塩3gは小さじ1/2ですが、調理用の小さじを持ち歩いている方はあまりおられないでしょう。親指と人差し指でつまんだ塩の3回分が、だいたい小さじ1/2になります。私は、チャックつきの小さなポリ袋に小さじ1/2の塩を入れたものを数セット持っていくようにしています。

砂糖は、小袋入りの砂糖に重量が書いてあるはず。なければ塩だけでも。「水だけ」よりは吸収されやすくなります。

フライト中のエコノミークラス症候群対策・緊急時対策

飛行機の長時間フライトをされる方もおられることでしょう。

私は、搭乗時に動画やCAさんの実演で行われる安全対策・緊急時対策の説明は、必ず集中して見て、どこから酸素マスクが降りてくるのか・救命胴衣はどこにあるのか・自分の席の最寄りの脱出口はどこなのかを確認するようにしています。

また、フライト中は脱水しやすいので、水分をよく取り、アルコールを一杯飲んだら水を二杯飲むくらいのイキオイです(アルコール飲むな、と言われたらそれまでですけど)。

また、エコノミークラス症候群対策のため、着席したままでできる体操があります。機内動画で流れたり、座席ポケットにパンフが入っていたりするはず。3~5時間に1回は、できることをやってみるようにしています。

2匹の猫をペットシッターさんに託して出張する「猫のおかあさん」として、とにかく無事に帰ることは、何よりも優先順位の高いことだと思っています。

「時差ボケ」に早めに気付くには

時差の大きな地域に行く時には、時差ボケ対策も必要なのですが、「気が張っている」「ワクワクしている」といった気持ちが大きいと、時差ボケに気づかないことがあります。

自分自身の経験、および身辺で見聞したところを総合すると、「本人は時差ボケしてないつもりなんだけど方向感覚がやられている」というバリエーションがあるようです。

「いつもほどスムーズに地図を読んでの行動ができない」「スマホのナビゲーションに頼る頻度がいつもより多い」と感じたら、時差ボケもしていると考え、活動をセーブし、休養と睡眠の確保を心がけるようにしています。

睡眠の質を上げて呼吸器からの感染症も予防できるかな? 寝る前の鼻洗い

コップに入れた水を鼻から吸って口から出し、鼻腔内を洗うことを、私は毎日寝る前に励行しています。

鼻が詰まっていない状態で寝付くことにより、睡眠の質が上がっていると思います。また、風邪など呼吸器からの感染症にもかかりにくくなった気がします。

常用薬・風邪薬・解熱剤・胃腸薬、「お薬手帳」も忘れずに

要管理疾病のある方は、当然のこととして常用している処方薬を荷物に入れるでしょう。使用実績のある風邪薬・解熱剤・胃腸薬も。

処方薬のリストも持っていきましょう。日本語の「お薬手帳」やその写真で結構です。

処方薬は、なくすこともありえます。フライトでの荷物のロストで生き別れになることもあります。でも、日本語の薬剤名がわかっていれば、成分と含有量を調べることはできます。米国のように、大きなスーパーやコンビニが調剤薬局を兼ねているような地域なら、薬剤師に相談すれば、もしかすると医師の処方なしで購入できるかもしれません。処方が必要なら、旅行保険の電話対応窓口に相談です。

なお、特に向精神薬をお使いの方は、滞在先で違法薬物扱いされないことを確認のうえ、出国されますように。「日本で一般的に処方されるけれども海外では違法薬物」という向精神薬はけっこうあります。

狂犬病・動物や昆虫・細菌、その他のリスクに対する注意→まず情報収集

特に注意すべきなのは、狂犬病です。狂犬病のある国では、犬だけではなく猫その他の哺乳類にも要注意。

猫の好きな日本人が、日本で通りすがりの人懐っこい猫を「もふもふ」して噛まれて流血しても、少なくとも狂犬病を恐れなくて済むのは、狂犬病が日本から駆逐されているからです。

そうではない国は、先進国でも結構あります。猫をモフる前にチェックしましょう。

その地域ならではの動物・昆虫・細菌等のリスクに対しては厚労省(いつも生活保護・福祉・社会保障でボロクソに批判しててすみません)、さらに日本旅行医学会(榎木英介さんに教えてもらって、はじめて存在を知りました)。

渡航リスク一般に関しては外務省。

まずは、その地域特有のリスクが「ある」ということと内容を知っておくことが大切です。リスクに直面したとき、「あるかもとは思ってた」と「想定もしていなかった」は、天と地ほどの違いです。

厚労省:夏休みにおける海外での感染症予防について

厚労省:夏休みの海外旅行では感染症に注意しましょう

日本旅行医学会

外務省:海外安全ホームページ

外務省「海外安全アプリ」は、ぜひスマホにインストールを。

また外務省「たびレジ」は、現在のところは複数目的地の登録ができない不便さがあるのですが、ぜひ登録を。滞在地の天候・テロなどの情報がメールで届いて助かります。

では、皆さま、よいご旅行を!