NY州の感染者33人、検査結果待ちは10倍に急増 日本への不安も 新型ウイルス

(写真:ロイター/アフロ)

 3月に入ってニューヨークで新型肺炎コロナウイルスの感染が拡大し、にわかに警戒感が高まっている。6日には州内の感染者が33人と前日より11人増え、疑いのある検査結果待ちの人数は236人と前日の約10倍となった。

 ニューヨーク市は日本を含む5カ国から帰ってきた市民に対し、14日間の自主的な隔離措置を取るよう求めるなど影響が大きくなりつつあり、各国コミュニティーには動揺も広がる。ツイッターなどでは日本からの渡航者を不安視する声が目立ち始めた。

感染33人に

 ニューヨーク州とニューヨーク市はそれぞれ、コロナウイルスの感染者数や検査人数を原則毎日公表している。

 1日に初めて州内の感染者が確認されて以降、感染者は増加の一途をたどっている。6日午後3時現在、33人(うちニューヨーク市民4人)にまで増えた。東京の感染者が50人を超えたとニュースになっていたが、ニューヨークの感染者の増え方は急速だ(州の人口約2000万人)。

 感染の検査中の人も6日には236人(うちニューヨーク市民55人)と前日の24人から一気に約10倍に膨れ上がった。

ニューヨーク州のウェブサイトをもとに作成
ニューヨーク州のウェブサイトをもとに作成

 市内では5日に5人が検査中とされていたが、6日には55人と11倍に急増。陽性か陰性か分かるまでに数時間から数日かかるとされ、判明次第公表される。7日以降の数字の更新が待たれる。

ニューヨーク市のウェブサイトをもとに作成
ニューヨーク市のウェブサイトをもとに作成

14日間の自主隔離

 ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は5日、中国、韓国、イラン、イタリア、そして日本の5カ国、いずれかの国に渡航して帰ってきた市民に対し、14日間、自宅など隔離された環境に自主的に留まるよう求めた。万一感染していた場合を想定し、会社や学校に行って感染が拡大することを防ぐのが目的だ。

 この措置が発表される前から、日本からの帰国者をめぐり、市民の間には不安感が高まり始めていた。

 ある作家の男性は2日、ツイッターで「2日前に日本への長期旅行から帰ってきた男性に髪を切ってもらう予定だが、約束をキャンセルすべきだろうか」と疑問を投げ掛ける投稿をしていた。

 また、日本への出張から帰ってきた後に体調不良を訴えて市内ブルックリン区の病院で診察を受けた35歳の男性の話が議論を呼んだ。ABCテレビなどによると、病院側は男性を隔離して一連の検査を行い、全て陰性だったが、コロナウイルスの恐れがあるため、CDC(米疾病対策センター)に検査を依頼した。しかし、CDCは症状が深刻ではないとして検査は不要としたという。

 先月末以降、「なぜCDCはコロナウイルスの検査をせずに、ニューヨーク市の男性を帰宅させたのか」(米abc7NY "Why did CDC send NYC man home without testing for coronavirus?")などとして各社が報道、多くリツイートされている。

 もちろん日本、日本人に限った話ではない。

 自主隔離措置を受け、ニューヨークの中国や韓国の移民コミュニティーにも動揺が広がっているようだ。

高まる警戒感と自衛意識

 コロナウイルス感染拡大に伴い、街は少しずつ変化し始めた。ニューヨークは予防を目的としたマスクの着用を推奨していないこともあり、普段電車などでマスク姿の人を見掛けることは極めて少ないが、最近は散見されるようになった。

 スターバックスコーヒーの店舗では店員が各テーブルをこまめに回って拭き、感染予防に努めている。市内を走る電車やバスも消毒されるようになった。

 ドラッグストアやスーパーでは、お店によってマスクやトイレットペーパーが品薄になっているようだ。米の買い占めが起きている日系食料品店もあった。こうした状況からニューヨーク在住の日本人の間には困惑する声も聞かれる。

 ニューヨークの日本総領事館は日々、コロナウイルスに関する情報をアップデートし、注意や予防を呼び掛けている。

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 日本では先月下旬に、「今後1、2週間が瀬戸際」とされていた。米国も先行きの不透明感が増してきたが、過度に恐れることなく、冷静な対応が求められる。