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東京23区「予想降雪量5センチ」 うっすら積雪か

三ヶ尻知子気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
上空300メートル付近に0度以下寒気で都心も雪(TBSニュースバード使用)

南岸低気圧の影響で29日(金)夜から30日(土)にかけて、東北地方南部と関東甲信地方で大雪のおそれがあります。内陸部は大雪による停電や交通障害に注意が必要です。

◆予想降雪量◆(30日夕方にかけて 多いところ)

甲信地方・関東地方北部山沿い 40センチ

東北地方南部         30センチ

箱根から多摩地方や秩父地方  20センチ

関東地方平野部        5から10センチ

東京23区           5センチ

29日21時から24時(気象庁HP)
29日21時から24時(気象庁HP)
30日3時から6時(気象庁HP)
30日3時から6時(気象庁HP)
30日6時から9時(気象庁HP)
30日6時から9時(気象庁HP)
30日9時から12時(気象庁HP)
30日9時から12時(気象庁HP)

東京都心は雨から雪へ

29日昼間は雨の東京都心でしたが、夜遅く日付が変わる頃には雪になりそうです。というのも、今回は関東平野特有の「滞留寒気」が出現する予想だからです。関東平野は、もともと高い山に囲まれて寒気が溜まりやすいんですが、降水による冷却や夜間の冷却が加わると、厚さ数百メートルの巨大な寒気のプール、滞留寒気ができることがあります。29日夜遅くになると、関東北部で形成された滞留寒気が東京まで広がるため、東京都心も雪になり、30日朝は、うっすらと積もっているおそれもありそうです。

予想降雪量≠予想積雪量

あす30日にかけての予想降雪量は、東京23区で5センチとなっていますが、これはあくまでも予想される「降る量」で、「積もる量」ではありません。手のひらに降ってきた雪をのせると、すぐとけることがあるように、都心など気温が比較的高い場所は、雪は降っても、地面に到達するとすぐにとけることが多いので、降ってくるものが全部積もるわけではありません。

東京都心はうっすら積雪か

降ってくる雪が、とけずに積雪として増えるのは、「気温1度以下」且つ「1時間に2から3ミリの以上の降水」がある場合で、都心でこの条件を満たすのが、30日早朝。この時間は都心でも数センチの積雪の可能性がありそうです。30日昼間と30日夜も弱い雪や雨が降る可能性はありますが、積雪は増えない見込みです。

土曜日の早朝ということもあり先週18日(月)のような交通機関大混乱にはなりにくいと思いますが、電車の遅延や間引き運転の可能性もありそうです。

内陸部は大雪のおそれ

一方、北関東や山梨県、長野県は、東北南部は雪の降っている時間が長く、気温が低いため、30日朝にかけてしっかり積もって大雪になり、新幹線の遅延や、高速道路の一部通行止めなど交通機関に大きな影響がでるおそれがあるでしょう。ノーマルタイヤでの運転は控え、スキー場へ行く場合は、スタッドレスタイヤでも滑るような坂道がありますので、チェーンなど装備を万全にした方がよさそうです。また、今回、上空の気温が比較的高く、雪がとけかかった状態で降る「湿った重たい雪」になるので、雪の重みで電線が切れることによる停電にも備えておいた方がよいでしょう。

最後に、ここまで書いておいてなんですが…実は、スーパーコンピュータの計算するモデルによっては、東京が雨で推移する予想もあります。滞留寒気の予想が難しいためで、このため、東京は絶対雪!積もります!とは断言できません。毎回のことですが、東京の雪予想はスーパコンピュータや百戦錬磨の気象予報士でも難しいのが現状です。ただ、降水量が前回ほどではないものの多いので、明日の朝、雪が積もった時のことを頭に置いて、備えて頂ければと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

1996年に気象予報士の資格取得。大分県出身。日本テレビ、NHKを経て、現在は、TBSテレビ気象キャスター。南国から雪国まで住んだ経験を活かし、主婦目線、母目線で天気を解説。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など

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