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発見。明治時代にもあった朝鮮式焼肉の礎

松浦達也編集者、ライター、フードアクティビスト
(写真:イメージマート)

一本前の原稿でも触れたが、年末に「「日本の焼肉の歴史は戦後から」は本当なのか」という原稿を書いた。

これまで一般的に言われていた日本の焼肉の歴史は「1946(昭和21)年に創業した東京「明月館」、大阪「食道園」から」というのが定説だった。しかし両店とも創業当時はあくまでも「朝鮮料理店」であり、現代でイメージされるような「焼肉店」ではなく、後に焼肉も提供することになる、朝鮮料理店/冷麺店だと考えたほうが自然だ。

「元祖」というくくりなら、「現存する限り」などの註釈をつけるべきだが、焼肉の歴史においてあまりそういう記述は見かけない。公的な資料が少ない大衆文化である飲食店の歴史や古いメニューの検証は非常に難しいのだ。

口伝頼みでは、思い込みや勘違いで歴史が作られてしまうことが多いし、実際1946年の時点では明月館も食道園も現代に続くような「焼肉店」と言い切るのは難しい。

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編集者、ライター、フードアクティビスト

東京都武蔵野市生まれ。食専門誌から新聞、雑誌、Webなどで「調理の仕組みと科学」「大衆食文化」「食から見た地方論/メディア論」などをテーマに広く執筆・編集業務に携わる。テレビ、ラジオで食トレンドやニュースの解説なども。新刊は『教養としての「焼肉」大全』(扶桑社)。他『大人の肉ドリル』『新しい卵ドリル』(マガジンハウス)ほか。共著のレストラン年鑑『東京最高のレストラン』(ぴあ)審査員、『マンガ大賞』の選考員もつとめる。経営者や政治家、アーティストなど多様な分野のコンテンツを手がけ、近年は「生産者と消費者の分断」、「高齢者の食事情」などにも関心を向ける。日本BBQ協会公認BBQ上級インストラクター

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