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続・「ホルモン」の語源は「放るもん」ではないと何度でも言わなければならない。

松浦達也編集者、ライター、フードアクティビスト
(写真:イメージマート)

前回、「ホルモン」が「放るもん」由来だという間違いはなぜ喧伝されてしまったのかというお題について一定の説明をさせてもらった。

ではなぜ、内臓料理はホルモンと呼ばれるようになったのか。それには大正~昭和初期の「ホルモン」ブームに触れなければならない。

ちなみにここで使われる「ホルモン」の語源は、前回も少し触れたように医学用語由来のホルモンである。

100年前に起きた”ホルモンブーム”

大正~昭和初期にかけて、いまで言うサプリメントのような位置づけで「ホルモン」ブームが起きたことがある。

明治時代まで遡ることのできる新聞の検索システムで「ホルモン」を調べると、1921(大正10)年の朝日新聞「青鉛筆」(論説委員のコラム)で「独逸(ドイツ)の若返り薬「ホルモン」は大分世間に騒がれているが、この「ホルモン」は動物の睾丸から採取するのださうで……」という記事がヒットする。

以降、紙面は「睾丸ホルモン製剤」「生殖腺ホルモン製剤」「牛甲状腺ホルモン特殊製剤」「肝臓及膵臓ホルモン製剤」など、さまざまなホルモン製剤の広告で彩られるようになっていく。

なかでも出色だったのは1930(昭和5)年8月22日以降、数年に渡って月に数回ペースで出広し、検索結果を埋め尽くした国際ホルモン研究所のホルモン剤だ。

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編集者、ライター、フードアクティビスト

東京都武蔵野市生まれ。食専門誌から新聞、雑誌、Webなどで「調理の仕組みと科学」「大衆食文化」「食から見た地方論/メディア論」などをテーマに広く執筆・編集業務に携わる。テレビ、ラジオで食トレンドやニュースの解説なども。新刊は『教養としての「焼肉」大全』(扶桑社)。他『大人の肉ドリル』『新しい卵ドリル』(マガジンハウス)ほか。共著のレストラン年鑑『東京最高のレストラン』(ぴあ)審査員、『マンガ大賞』の選考員もつとめる。経営者や政治家、アーティストなど多様な分野のコンテンツを手がけ、近年は「生産者と消費者の分断」、「高齢者の食事情」などにも関心を向ける。日本BBQ協会公認BBQ上級インストラクター

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