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牛丼にも合う、極上家呑みハイボールの作り方(ウイスキーの銘柄別味わいチャート&おすすめ炭酸水つき)

松浦達也編集者、ライター、フードアクティビスト
(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

連日、あの話ばかりしていても、身が持ちません。本日は少し肩の力の抜けたモードです。今日も今日とて牛丼か、というご感想もいただきそうですが、おっしゃるとおり牛丼です。

もっとも今回、牛丼は脇役で主役にはハイボール先生にご登場いただきます。どうも家でもお酒を飲む機会が増えそうなご時世、少しでもハイボールをおいしく飲むには何をどう選ぶべきか、考えてまいりたいと思います。参考書は主婦の友社の『ハイボールとつまみ』(監修:松浦達也)。

「宣伝か!」とお叱りをいただきそうですが、いま売れても僕にお金は回ってこないと思われます。巻頭のハイボール関連の約20ページとからあげレシピ6ページは書き下ろし&撮り下ろし。その他、主婦の友社から料理本を出されている料理家の方々のレシピから、ハイボールに合いそうなすばらしいお料理をピックアップさせていただきました。

さて、ウイスキーの選び方は後半に、詳細なレシピは最後に書きますが、どんなハイボールでも大切なのは喉越しと口当たりです。氷は製氷機の氷ではなく、ぜひロックアイスを求めください。グラスはお好みのもので結構ですが、あまり分厚すぎないほうがいいと思います。

何より大切なのは炭酸水選びと作り方。とりわけ喉越しが大切なハイボールにおいて、炭酸水選びは超重要ポイントです。「炭酸なんて何でも同じだろう」と思ったら大間違い。特に家で飲む場合、入手する炭酸水の種類とその扱いによって味わいは大きく変わります。

炭酸水の選び方の指標とは

ハイボールの生命線は、まずあの喉越し。爽快な喉越しを生み出す源泉は炭酸ですが、その強度もメーカーや銘柄によって少しずつ強さが異なります。一口に「強炭酸」と言っても実はその強度(GV=ガスボリューム)は銘柄ごとに異なります。また水質のせいか、ハイボールにしたときの炭酸感の残り方や水そのものの味わいもそれぞれ。後ほど、家庭でハイボールを作るのに適した炭酸水を紹介しますが、嗜好品ですから、好みのものを探してみるのもいいかと思います。

温度の問題はすべての炭酸水に関係する

どんな炭酸水にも共通する重要項目が温度です。炭酸水メーカーをお持ちの方はマニュアルに「冷水を使ってください」と書いてあるのをご覧になったことがあるかと思いますが、炭酸の源となる二酸化炭素は冷えているほど、水に溶け込みやすくなります。つまりぬるくなると炭酸は抜けてしまう……。ぬるい状態だと無駄に気が抜けてしまうことになります。炭酸水はきっちり冷やしておきましょう。とりわけハイボールの場合は、できればウイスキーもキンキンに冷やしておくのをおすすめします。

未開封の「強炭酸」でも炭酸は抜けていく

基本的に、炭酸水のボトルは強い圧に耐えられるように作られています。それでも徐々に炭酸は抜けていきます。新しいほど、炭酸は多く含まれていて、あの爽快な喉越しも強く味わうことができます。こだわり始めると炭酸水もつい箱買いをしたくなったりしてしまいますが、週末のためだけに500mlボトル24本入りの強炭酸を買うくらいなら、近所のコンビニでその都度普通の炭酸を買い求めたほうがいいことも。保管するにしても1か月程度を目安に飲みきってください。どんなに強い炭酸水でも、時間が経てばただの水。後生大事に取っておくのではなく、飲み切りながら在庫を回転させていきましょう。

「GV」値5.0の炭酸水

 

先ほどちらりと紹介したGVという値。この数値が大きいほど炭酸が強いことを意味します。一般に販売されている「強炭酸」と言われる炭酸水は4.5~5.0GVのものがほとんどですが、やはり充填時5.0GVのものが炭酸感は圧倒的にガス圧が強力です。

特にハイボールにしたときの炭酸感が印象的なのが、「サントリーソーダ強炭酸」。一般に強炭酸を謳う炭酸でも、割ると炭酸感が抜けるものがあるのですが、こちらの炭酸は割ってもバッチリ強炭酸感が感じられます。ウイスキーの味がストレートに感じられるタイプ。

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編集者、ライター、フードアクティビスト

東京都武蔵野市生まれ。食専門誌から新聞、雑誌、Webなどで「調理の仕組みと科学」「大衆食文化」「食から見た地方論/メディア論」などをテーマに広く執筆・編集業務に携わる。テレビ、ラジオで食トレンドやニュースの解説なども。新刊は『教養としての「焼肉」大全』(扶桑社)。他『大人の肉ドリル』『新しい卵ドリル』(マガジンハウス)ほか。共著のレストラン年鑑『東京最高のレストラン』(ぴあ)審査員、『マンガ大賞』の選考員もつとめる。経営者や政治家、アーティストなど多様な分野のコンテンツを手がけ、近年は「生産者と消費者の分断」、「高齢者の食事情」などにも関心を向ける。日本BBQ協会公認BBQ上級インストラクター

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