バレーボールの新生・全日本女子候補の強化合宿が始まった。焦点は、ロンドン五輪銅メダルの竹下佳江選手の務めていたセッターが誰になるのかである。代表候補のセッターには大量7人が並び、「ポスト竹下」へ熾烈な戦いが繰り広げられている。

 休養中の竹下のアナは大きい。「非常に難しいポジションですから」と、真鍋政義監督はため息をつく。「だれが世界に通用するのか、まだわからない。(海外の試合の)経験をさせて、力を見極めていきたいと思います。7人全員にチャンスがあります」

 ポスト竹下の最有力候補は、ロンドン五輪代表の27歳・中道瞳(東レ)か、18歳の宮下遥(岡山)である。身長159センチの中道はトス、サーブに安定感があるけれど、高さとレシーブ力が物足りない。176センチの宮下はこの春、大阪国際滝井高(大阪)を卒業した。ブロック力とレシーブ力が魅力で、昨季のV・プレミアリーグではブロック決定本数で13位にランクされた。

 3年後のリオデジャネイロ五輪を考えると、宮下に期待したいところだろう。フットワークがよく、日本の狙う大型化にも合致している。ただ、トスワークに好不調の波がある。いかに経験値を高めていくか。強気の宮下は意欲的だ。「いままでは(全日本を)見て学ぼうという意識だったんですけど、今年からはチャンスがあるので、自分のいいところをアピールしていきたい。セッターの中では身長が高いので、ブロックでもチームに貢献できたらいいなと思います」と。

 今月下旬からの欧州遠征のメンバーに入ったのが、22歳の松浦寛子(アゼリョル・バクー=アゼルバイジャン)と、21歳の藤田夏未(トヨタ車体)のふたりだ。松浦寛は身長180センチが魅力。海外経験で課題のトス回しがどうはやくなったかに注目したい。代表初選出の藤田は身長166センチ。トヨタ車体のレギュラーセッターとして成長中で、今回の欧州遠征で外国チームに通用するのかどうか、試されることになる。

 このほか26歳の173センチ、松浦麻琴(NEC)はクイックを使うのがうまい。22歳の173センチ、田代佳奈美(東レ)は所属チームでは中道の控えだったが、このところ出場機会が増えてきた。身体能力が高く、大化けする可能性もある。

 18歳の細川絢加(日立)は将来性豊かである。174センチと背のあるセッターとして、盛岡女子高(現・盛岡誠桜高=岩手)時代からずっと注目されてきた。ジュニアの全日本でも選ばれていくので、ジュニアの世界大会でどんどん経験を積んでいってほしいところだ。

 世界一に挑戦するにあたって、やはり真鍋監督が重要視するのがスピードとディフェンス力だろう。どのセッターが、新生全日本のコンビバレーにかみ合うのか。リオ五輪に向け、試行錯誤が続けられていくことになる。