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「気持ちを切り替えて、次の対局に集中していけたら」羽生善治挑戦者(52)王将戦第1局後コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

羽生善治挑戦者「(一手損角換わりを久々に採用した)まあ作戦の一つとして、まだ可能性もあるのかなと思ったので。やってみることにしました。(相手の用意をはずそうという意図もあった?)いや、そういうわけではないんですけど。まあ、いろんなことを試みる中の一環で、やってみました。(1日目を振り返って)うーん、そうですね・・・(苦笑)。封じ手前後の局面は、ちょっとなにやっていいか全然わからなかったですね。ちょっと手が広いので。うーん、なにがよかったのか、わるかったのか、わからないまま指していました。(2日目朝、46手目△3七歩を選んだ理由は)いや、ほかの手を、ちょっとなにをやればいいかもわからなかったんで。△3七歩もそんなに成算があったわけじゃないんですけど。ほかの手もそうですね、ちょっと、思わしい手も見つからなかったので。まあ思い切ってやってみた感じですかね。(2日目昼休前に飛と金桂の二枚換えになった)そうですね。なんか銀の位置を2五にさせられて。ちょっといろんな変化のときに、あたりになるんで。いや、うまい組み合わせで、ちょっとまずくしてしまったのかなと思ってました。(3七に桂を跳ねたときにあたる?)うーん、そうですね、それもあるし。角のラインで、銀が取られちゃうケースもあるので。ちょっとそうですね、2五があんまりいい場所じゃないので。はい。(69手目▲6五桂に△5八桂成と金を取らず、△6四銀と逃げたのが検討陣には意外だった)あ、いや、でもあの局面はもうダメだと思うんで。ちょっとその前に、なにかあるかっていうことだと思います。なにがわるかったか、調べてみないとわからないです。(一局の将棋を振り返って)細かい変化のところを、やっぱりもうちょっと掘り下げて考える必要があるかな、ということは感じました。(藤井聡太王将と2日制で初めてたたかってみての印象は?)やっぱりなんか一手一手、深い読みの裏付けで指されているんだな、というようなことは、対局して感じました。(自身は2年ぶりのタイトル戦)8時間も長いようで短いんで。やっぱり時間の使い方も課題にはなるかな、と思いました。(第2局に向けて)あ、そうですね。気持ちを切り替えて、次の対局に集中していけたらいいなと思ってます」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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