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「スコア以上に完敗だった」「自分のいま持てるものは出せた」竜王戦で敗退した広瀬章人挑戦者コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

広瀬章人挑戦者「1日目から激しい戦いになりましたけど。一応桂馬を先に取ってるので、主張があるのかなと思いながら指していて。封じ手明けの飛車を取らせる順がちょっとあまり考えていなくて。『飛車取ればなんとかなるかな』っていう、ちょっと甘い考えだったっていうことが・・・。ちょっと反省していました。(38手目)あの局面で△7二金寄った将棋は何局かあると思うんですけど。自分なりにいろいろ研究して、ということで、予定していた形ではありました。(1時間58分の)大長考したあたりは苦戦を意識していたんですけど。(76手目)△4一桂を打った手は、ちょっとあまりよくなかったと思うんですけど。(81手目)▲3一銀が鋭い手で、そこではっきり苦しくしてしまったのかと思いました。(シリーズを振り返って)スコアは2勝4敗でしたけど。中終盤あたりで、やはり相手の実力を感じることも多かったので。スコア以上に完敗だったかなと思います。(七番勝負を通して藤井聡太竜王の印象は?)さほど変わってはいないですけれども。タイトル戦では初めて対戦したんですけど。タイトル戦に関してはやはり藤井竜王の方が、最近では場数が多いので。そういう風格みたいなものは感じました。(開幕前に盛り上げたいと言っていた)自分のいいところ、わるいところ、出し尽くしたシリーズだったと思うんですけど。ちょっと3局目の敗戦が、悔やまれるところでして。その将棋をちゃんと勝っていればフルセットまではいけたかなっていう、ちょっとそういう後悔はありますけども。それも含めて実力なので。自分のいま持てるものは出せたかなとは思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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