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徳田拳士四段(24)加古川青流戦決勝三番勝負進出! デビュー以来破竹の17勝1敗!

松本博文将棋ライター

 9月15日。大阪・関西将棋会館において加古川青流戦の対局がおこなわれました。

準々決勝▲徳田-△高田戦

 10時からの準々決勝では徳田拳士四段(24歳)と高田明浩四段(20歳)が対戦しました。

 今年4月に四段に昇段した徳田四段は山口県出身者としては初の棋士。昨年4月にデビューした高田四段は岐阜県出身。両者ともに、地元からの熱い応援を受けて戦っています。

 高田四段は昨年、準々決勝で敗れています。

 ▲徳田-△高田戦。後手の高田四段は四間飛車に。徳田四段が居飛車穴熊に組もうとしたところで動きました。

 盤面の左右で高田四段の攻めが急所にヒットし、終盤に入ったところでは徳田四段がピンチに追い込まれました。

 しかし秒読みに入ってから高田四段に緩手が出たか、形勢は混沌。

 最後は高田四段が徳田玉を詰ませにいって詰まず、12時10分、91手で徳田四段の勝ちとなりました。

準決勝▲徳田-△冨田戦

 14時からおこなわれた準決勝では徳田四段と冨田誠也四段(26歳)が対戦。両者は同じ小林健二九段門下で兄弟弟子の関係です。

 冨田四段は今年のABEMAトーナメントにおいて、チームエントリーの一員として感動的な戦いぶりを見せたのは記憶に新しいところです。

 ▲徳田-△冨田戦。後手の冨田四段は四間飛車に振りました。そして角交換のあと、向かい飛車にスイッチします。

 両者ともに自陣角を据えて、中盤の戦いに。徳田四段は桂得の戦果をあげ、その桂を王手で打って冨田玉に迫ります。

 81手目。徳田四段はタダで取られるところに角を捨てます。これが鮮やかな決め手。角を取らせた代償に飛車を成り込んで、攻めが切れなくなりました。

 冨田玉は上下はさみうちの形となり、16時7分、95手で冨田四段が投了。徳田四段の決勝進出が決まりました。

 徳田四段は10月15日・16日、兵庫県加古川市・鶴林寺において齊藤優希三段と三番勝負を戦います。

 今年4月にデビューして快進撃を続ける徳田四段。里見香奈女流五冠との棋士編入試験でも注目されましたが、公式戦でも絶好調です。今年度成績は17勝1敗(勝率0.944)となりました。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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