6月29日。東京・将棋会館において第70期王座戦・挑戦者決定トーナメント準決勝▲大橋貴洸六段(29歳)-△石井健太郎六段(30歳)戦がおこなわれました。

 10時に始まった対局は19時35分に終局。結果は93手で大橋六段の勝ちとなりました。

 大橋六段は挑戦者決定戦に進出。もう一方の準決勝、木村一基九段-豊島将之九段戦の勝者と対戦します。

大橋六段、いよいよ大ブレイクか?

 石井六段、大橋六段はともに所司和晴七段門下です。

 石井六段は昨年、今年と2年連続でベスト4進出。そしていずれも2回戦で、偉大な兄弟子・渡辺明名人に勝っています。

 大橋六段は一昨年以来、2度目のベスト4。今期1回戦では藤井聡太竜王に勝ちました。

 本局は石井六段、大橋六段、どちらが勝っても、全タイトル戦を通じて初の挑戦者決定戦進出という大きな一番でした。

 振り駒の結果大橋六段先手。角換わりを思わせる立ち上がりから、大橋六段は角筋を止めます。現在「雁木」(がんぎ)と呼ばれる形に両者ともに組んだあと、中段で戦いが起こります。迎えた図の局面。

 大橋六段は▲5一角成と捨てる大技を見せました。以下△同玉▲2二飛成と進んで先手優勢。石井六段も反撃を見せますが、最後は大橋六段が一足早く相手玉を受けなしに追い込んで、終局となりました。

 大橋六段は2016年10月、24歳のときに四段に昇段しました。このとき一緒に三段リーグを抜けたのは、史上最年少14歳2か月で四段に昇段した藤井現竜王でした。

 通算勝率8割を超える藤井竜王が現在まで、異次元の活躍をしてきたのは周知の通りです。

 一方で大橋六段も通算勝率は7割を超え、いつ大ブレイクしてもおかしくない存在です。現時点で藤井竜王に公式戦で2番勝ち越している棋士は、深浦康市九段と大橋六段だけです。

 大橋六段の挑戦者決定戦の相手は木村九段か豊島九段。いずれにしても強敵相手です。しかしそこも突破して、永瀬拓矢王座への挑戦権をつかむ可能性は十分ありそうです。

 タイトルを獲得した棋士の中で、四段昇段の年齢がもっとも若いのは、14歳の藤井聡太現竜王。一方、もっとも遅かったのは23歳の木村現九段でした。もし24歳で四段になった大橋六段がタイトルを獲得すれば、木村九段の記録を更新することになります。

 大橋六段は竜王戦でも本戦に勝ち上がっています。