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永瀬拓矢王座(29)は6回! 藤井聡太現竜王(19)は5回連続! 竜王ランキング戦優勝回戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 1月23日。竜王就位式がおこなわれました。第34期竜王に就位したのは藤井聡太新竜王(19歳)です。

 2組優勝の藤井王位・棋聖(当時)は、挑戦者決定三番勝負で1組優勝の永瀬拓矢王座(29歳)と対戦。藤井二冠が2勝0敗で挑戦権を獲得しました。

 永瀬王座はランキング戦1組優勝のメダルを授与されたあと、次のようなあいさつをしていました。

永瀬「わりと対局負けると悔しいことが多いんですけど、今期の竜王戦挑戦者決定戦の藤井さんの相手は自分だったんですけど、それも忘れるぐらい、なんというか、すっきりとした力負けでして。藤井さんがいままでランキング戦を全部優勝されていて、メダルが5つ目だと思うんですけど、自分は6つ目かな、と思ったので、その点勝てていて、よかったなと思いました(笑)」

 言われてみればなるほど・・・という主張でした。永瀬王座の言う通り、ランキング戦の優勝回数は永瀬王座6回、藤井現竜王5回です。

 ランキング戦で一番多く優勝しているのは丸山忠久九段で8回。そのうち5回は最上位1組での優勝です。

 永瀬王座と並んで6回優勝は、竜王位通算7期の実績を誇る羽生善治九段。そのうち3回は1組優勝です。

 5回は森内俊之九段、深浦康市九段、稲葉陽八段、そして藤井現竜王。

 ランキング戦24連勝で5回連続優勝は、空前にして、おそらくは絶後の記録でしょう。

 竜王位通算11期の渡辺明名人はランキング戦を戦う機会が少なかったから必然というべきか、優勝回数は意外と少なく2回でした。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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