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不倒の鬼軍曹・永瀬拓矢王座(29)後手番で王座戦第2局を制し1勝1敗 木村一基九段(48)を降す

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 9月15日。愛知県蒲郡市「西浦温泉 旬景浪漫 銀波荘」において第69期王座戦五番勝負第2局▲木村一基九段(48歳)-△永瀬拓矢王座(29歳)戦がおこなわれました。棋譜は公式ページをご覧ください。

 9時に始まった対局は20時12分に終局。結果は100手で後手の永瀬王座が勝ちました。

 投了図では後手玉に詰みはなく、先手玉は受けなしです。

 五番勝負はこれで両者ともに後手番を勝って、1勝1敗となりました。

 両者の通算対戦成績もこれで4勝4敗の五分です。

 第3局は9月22日、神奈川県秦野市「元湯 陣屋」でおこなわれます。

終局後コメント

永瀬王座「△7四香▲8六角に△7六香としたんですけど(その前の44手目)△7五歩(▲同角)がどうだったか。ちょっと手拍子で指してしまって。比較をしなければいけなかったかな、と思いました。(攻められる展開となり)難しいとは思って・・・、まあダメかもしれないんですけど。(78手目)△7三歩に変えて△8四歩の方がよかったですかね。ちょっと1歩でどう変わるかもわからなかったんですけど。ただ、本譜は9五の角が活きてしまっているので。△7三歩(▲7四歩)に代えて△8四歩。迷ったんですけど、ちょっと1歩も価値が高いのかなと思ってしまったので。ただ本譜だと、最後(92手目)△6八との局面は、うーん、負けでもおかしくないのかなと思います。(98手目)△1九飛車に▲2八玉△1七銀の形が大丈夫(相手玉が詰んでいる)であれば▲2九金を強要できるので勝ちになっている可能性はあるかなと思いました」

木村九段「難しくてよくわからなかったですね。(中盤から終盤にかけて)いいのかわるいのか、わかりませんでした。なんか(63手目▲7八金で)夕休のところは(相手に)玉逃げられたときに追う順がわからなかったので、ちょっとおかしくしてるのかな、とは思ったんですけど。あまり修正のしようもないところだったんで。1四歩と▲7四歩と組み合わせがわかんなくて、なんか間違えたような気がしますけど」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)、『など。

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